小川未明 「金の輪」

出版社 パンローリング

ナレーター中山依里子

再生時間 00:08:59

添付資料 なし

販売開始日 2012/5/9

トラック数 1

購入音源の倍速版 なし(アプリでの倍速再生は可能です)

作品紹介

■作品について

「金の輪」は、1919年4月『労働文学』にて発表された作品。

輪をまわす遊びを「輪回し」と言いますが、
この「輪回し」という言葉には、国語辞典によると次の意味があります。

1) 竹や鉄で作った輪に先が二またに分かれた棒を当てて、
輪を倒さないように転がして進む遊び。

2) 連歌・俳諧の付合(つけあい)で、前々句へ句意が返るようにする付け方。
輪廻(りんね)。

未明は大正3年に長男を、大正7年に長女を失いました。
その1年後の大正8年に発表された「金の輪」は、その悲しみから
書かれたとも言われています。

まさに文学というべき詩的な文体と、未明らしい結末のむかえ方は、
読者の心をわしづかみにするほどの強烈な印象を残します。

■あらすじ

長い間病気で臥していた太郎は、ようやく床から出られるようになりました。

日の出ている間だけ外に出ることができた太郎が外に出てみると、
どこにも友だちの姿がありませんでした。

ひとりしょんぼりとしていると、往来の上からひとりの少年が
ふたつの金の輪をまわしながら走ってきました。

美しく光る金の輪をまわす少年は、太郎に向かって微笑んで、
往来の向こうへ消えていきました。

次の日に太郎が同じ時刻に外に出てみると、再びその少年に出会いました。
そしてまた太郎に向かって微笑みかけて、消えていきました。

その晩、太郎は夢を見ました。

太郎は、その少年から金の輪をひとつ分けてもらって、
どこまでも走って行って、赤い夕やけの中にとけていきました。

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