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作品紹介
物語は天正十七年(1589年)、徳川家康が豊臣秀吉の命によって関東へ移封される直前の時代
国吉三左衛門(通称「避けぬ三左」)は、榊原康政に仕える武士で、彼の生き様は異彩を放っていた。
徳川家家臣・国吉三左衛門は、道で人を避けることもなく、雨を避けることもなく、戦場でも矢弾を避けないという特異な男。普段は温厚でのんびりとした性格ながら、圧倒的な体格を誇り、長大な刀を帯び、奇妙に小さな犬を連れて歩く姿で知られている。
彼はある日、仲間に「天気がいいな」と話しかけられるが、「嫁をもらいに行く」と意外な返答をする。その足で彼は榊原家の年寄・大橋弥左衛門のもとを訪れ、結婚の申し出をする。果たして、避けぬ三左の避けがたき申し出とは?
■あらすじ
1941年(昭和16年)12月 『講談雑誌』掲載。時は、戦国末期。秀吉より、北条氏討伐の命をうけた徳川家康は、配下の武将榊原康政に鷹巣城攻めを命じた。そして、榊原康政の配下には、「避けぬ三左」こと、名物男、国吉三左衛門がいた。三左は、関東移封となる主君を案じて、嫁をめとることにするが。天衣無縫男の活躍を描く、山本周五郎の傑作短編です!
■登場人物
国吉三左衛門常信……榊原康政の家臣。避けないので「避けぬ三左」と呼ばれる。「天気の三左」とも呼ばれる榊原家中の名物男。
榊原康政……徳川家康の侍大将。三左衛門の主君。
大橋弥左衛門……榊原家の年寄。槍組の侍大将で、三左衛門の上役。結婚の仲立ちをする。
鷲尾八郎兵衛……榊原家のお使役にして、すぐれた武士。
小萩……八郎兵衛、妹。三左衛門の妻になるのか。
■「避けぬ三左」目次
0:00 避けぬ三左 一
6:48 避けぬ三左 二
13:27 避けぬ三左 三
19:24 避けぬ三左 四
25:42 避けぬ三左 五
32:12 避けぬ三左 六
■まぎらわしい用語集
葛布(くずふ)……葛の糸をつむいでつくった織物。
短袴(たんこ)……丈の短いはかま
蔀(しとみ)……格子を取り付けた板戸。上部が開く構造。
障塀(しょうへい)……障子と屏風。しきり。へだて
まひわ……雀よりも小さな、黄色い鳥。飼育に向かない弱い鳥。
荒蕪(こうぶ)……荒れるに任せた土地のこと
出来(しゅったい)……事件がおこること。物事ができあがること。
挺身(ていしん)……進んで身を投げ出し、困難な物事にあたること。
犇々(ほんぼん)……すきまのないさま。ぴったり。
堀切(ほりきり)……地面を掘って切りとおした水路。
黒鍬(くろくわ)……戦国期に、築城、開墾、道普請などに従事した人。黒鍬者。
矢狭間(やざま)……城壁などにあけた矢を射かけるための穴。
指呼(しこ)……呼べば答えるほどの近い距離。
国吉三左衛門(通称「避けぬ三左」)は、榊原康政に仕える武士で、彼の生き様は異彩を放っていた。
徳川家家臣・国吉三左衛門は、道で人を避けることもなく、雨を避けることもなく、戦場でも矢弾を避けないという特異な男。普段は温厚でのんびりとした性格ながら、圧倒的な体格を誇り、長大な刀を帯び、奇妙に小さな犬を連れて歩く姿で知られている。
彼はある日、仲間に「天気がいいな」と話しかけられるが、「嫁をもらいに行く」と意外な返答をする。その足で彼は榊原家の年寄・大橋弥左衛門のもとを訪れ、結婚の申し出をする。果たして、避けぬ三左の避けがたき申し出とは?
■あらすじ
1941年(昭和16年)12月 『講談雑誌』掲載。時は、戦国末期。秀吉より、北条氏討伐の命をうけた徳川家康は、配下の武将榊原康政に鷹巣城攻めを命じた。そして、榊原康政の配下には、「避けぬ三左」こと、名物男、国吉三左衛門がいた。三左は、関東移封となる主君を案じて、嫁をめとることにするが。天衣無縫男の活躍を描く、山本周五郎の傑作短編です!
■登場人物
国吉三左衛門常信……榊原康政の家臣。避けないので「避けぬ三左」と呼ばれる。「天気の三左」とも呼ばれる榊原家中の名物男。
榊原康政……徳川家康の侍大将。三左衛門の主君。
大橋弥左衛門……榊原家の年寄。槍組の侍大将で、三左衛門の上役。結婚の仲立ちをする。
鷲尾八郎兵衛……榊原家のお使役にして、すぐれた武士。
小萩……八郎兵衛、妹。三左衛門の妻になるのか。
■「避けぬ三左」目次
0:00 避けぬ三左 一
6:48 避けぬ三左 二
13:27 避けぬ三左 三
19:24 避けぬ三左 四
25:42 避けぬ三左 五
32:12 避けぬ三左 六
■まぎらわしい用語集
葛布(くずふ)……葛の糸をつむいでつくった織物。
短袴(たんこ)……丈の短いはかま
蔀(しとみ)……格子を取り付けた板戸。上部が開く構造。
障塀(しょうへい)……障子と屏風。しきり。へだて
まひわ……雀よりも小さな、黄色い鳥。飼育に向かない弱い鳥。
荒蕪(こうぶ)……荒れるに任せた土地のこと
出来(しゅったい)……事件がおこること。物事ができあがること。
挺身(ていしん)……進んで身を投げ出し、困難な物事にあたること。
犇々(ほんぼん)……すきまのないさま。ぴったり。
堀切(ほりきり)……地面を掘って切りとおした水路。
黒鍬(くろくわ)……戦国期に、築城、開墾、道普請などに従事した人。黒鍬者。
矢狭間(やざま)……城壁などにあけた矢を射かけるための穴。
指呼(しこ)……呼べば答えるほどの近い距離。