作品紹介
【小学館の名作文芸朗読】
大晦日、サエは検束された夫・石崎への差入れのために警察署を訪れるが、「それどころじゃない」と三度目の突き返しに遭う。失意の中、特高室を出たサエは、階段の窓から留置場を見下ろす。自身の留置経験から夫の身を案じていると、階下で談笑していた職人たちが一斉に自分を見上げる。その視線には何も感じなかったが、主任が自分の後ろ姿を見ていることに気づき、その場を離れる。こらえきれず涙が鼻から流れ出るのだった。
大晦日、サエは検束された夫・石崎への差入れのために警察署を訪れるが、「それどころじゃない」と三度目の突き返しに遭う。失意の中、特高室を出たサエは、階段の窓から留置場を見下ろす。自身の留置経験から夫の身を案じていると、階下で談笑していた職人たちが一斉に自分を見上げる。その視線には何も感じなかったが、主任が自分の後ろ姿を見ていることに気づき、その場を離れる。こらえきれず涙が鼻から流れ出るのだった。
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