作品紹介
師と仰いだ井伏鱒二の仲人による結婚を経て心身の安定を得た中期の短編。初出は1939年(昭和14年)3月に「国民新聞」に掲載された短編で、当時、妻となったばかりの石原美知子に口述筆記させたともいわれております。太宰作品としては珍しく晴れやかな読後感のある作品です。太宰とおぼしき小説家「私」を泣かせたのは、かつて、子ども時代にいじめた女中の「お慶」とその家族たちの姿。自分を憎み、見下して当然と思っていた「お慶」とその家族たちの語り。完全な敗北による涙に宿る光が、人を再生へと導きます。
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