作品紹介
【小学館の名作文芸朗読】
明治十一年、二十五歳の私は芝の師匠宅に住み、休日ごとに谷中の高橋宅へ遊びに通っていた。 旧暦八月一日の名月の晩も、谷中で一日過ごし夜九時前に帰途につき、月明かりの下、将来や郷里を思いながら将監橋を十時前に渡ったところまでは覚えている。将監橋を渡ったあと二時間ほどの記憶が途切れ、私は自分がどこで何をしていたか分からないまま、気づくと花園橋の上に茫然と立っていたのであった──。
明治十一年、二十五歳の私は芝の師匠宅に住み、休日ごとに谷中の高橋宅へ遊びに通っていた。 旧暦八月一日の名月の晩も、谷中で一日過ごし夜九時前に帰途につき、月明かりの下、将来や郷里を思いながら将監橋を十時前に渡ったところまでは覚えている。将監橋を渡ったあと二時間ほどの記憶が途切れ、私は自分がどこで何をしていたか分からないまま、気づくと花園橋の上に茫然と立っていたのであった──。
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