作品紹介
【小学館の名作文芸朗読】
私の村は「柿の木の村」と呼ばれ、秋になると山浦から馬を引いたお百姓さんが柿を買いに来た。がっしりとした体つきのその大男は、幼い私には少し怖い存在だった。しかし、彼は身軽に木に登り、あっという間にビクいっぱいに柿をもいでしまう。お昼になると、お百姓さんは縁側で持参した大きなおにぎりを食べる。おばあさんの出すお茶は飲むが、御膳には箸をつけなかった──。
私の村は「柿の木の村」と呼ばれ、秋になると山浦から馬を引いたお百姓さんが柿を買いに来た。がっしりとした体つきのその大男は、幼い私には少し怖い存在だった。しかし、彼は身軽に木に登り、あっという間にビクいっぱいに柿をもいでしまう。お昼になると、お百姓さんは縁側で持参した大きなおにぎりを食べる。おばあさんの出すお茶は飲むが、御膳には箸をつけなかった──。
新着作品
週間総合ランキング
読み込み中...

