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佐藤春夫『現代語訳 方丈記』『鴨長明(小説)』―閑寂の小庵での隠遁生活、天変地異の迫真の描写など(しみじみ朗読文庫)
出版社 響林社
ナレーター大志田瞬(新AI合成音声)
再生時間 01:58:30
添付資料 なし
出版日 2025/9/10
販売開始日 2025/9/15
トラック数 8
作品紹介
『方丈記』は、平家の隆盛から源平の争乱、鎌倉幕府三代の終焉に至る中世の激動期を反映した無常観を綴る。日本の三大随筆の一つとされる(他は『枕草子』『徒然草』)。
俗世での生活が自分には合わないと悟り、一切を放擲して京の郊外・日野山(現在の京都市伏見区)に方丈の小庵をむすんで隠棲した記録となっている。俗世のしがらみを厭いつつもそれへの関心を捨て切れず、また、閑寂の方丈での生活が快適で満足だと述べつつも、寂しさ、哀れさを否定できない自らの心を正直に描いており、佐藤春夫の現代語訳を通じて、その人間臭さが我々にもひしひしと伝わってくる。
一方、この『方丈記』は、自ら連続して体験した大災害の迫真のルポルタージュとしても注目を集める。京の都が一夜で灰燼に帰した「安元の火災」、家屋が次々と倒壊した「治承の竜巻」 、二年間にわたる旱魃と疫病で無数の餓死者を出した「養和の飢饉」、平家による突然の「福原遷都」による人と建物の移転をめぐる大混乱、地が裂け津浪が襲い余震が数十日続いた「元暦の地震」、微に入り細を穿つ悲惨さの描写には改めて驚かされる。大飢饉の中、僅かな食料を愛する肉親に先に食べさせる情の深い者ほど先に死んでいったこと、大地震がおさまるとやがて人々の口の端にものぼらなくなってしまうことなどの記述も印象に残る。これらの天変地異が、長明の20歳代に当たる1177年~1185年のわずか数年間に生じたことが、無常観を形成する大きな要因となったであろうことは想像に難くない。
『鴨長明』は、佐藤春夫が、鴨長明の日野の山奥での晩年を小説体にまとめた作品。長明が、庵に閑居している中、建暦元年(1211年)に友人だった飛鳥井雅経の推挙を受けて、将軍・源実朝の和歌の師として鎌倉へ下向した史実を元にしている。その中で、日野山の奥に閑居するに至った背景、後鳥羽院との関わり、長明の閑居を訪ねる雅経との関係、源家長との関係、鎌倉への下向、琵琶の名手であることなど、『方丈記』を味わう上で大変参考になる。Amazonのkindleで発売中(響林社文庫)。
俗世での生活が自分には合わないと悟り、一切を放擲して京の郊外・日野山(現在の京都市伏見区)に方丈の小庵をむすんで隠棲した記録となっている。俗世のしがらみを厭いつつもそれへの関心を捨て切れず、また、閑寂の方丈での生活が快適で満足だと述べつつも、寂しさ、哀れさを否定できない自らの心を正直に描いており、佐藤春夫の現代語訳を通じて、その人間臭さが我々にもひしひしと伝わってくる。
一方、この『方丈記』は、自ら連続して体験した大災害の迫真のルポルタージュとしても注目を集める。京の都が一夜で灰燼に帰した「安元の火災」、家屋が次々と倒壊した「治承の竜巻」 、二年間にわたる旱魃と疫病で無数の餓死者を出した「養和の飢饉」、平家による突然の「福原遷都」による人と建物の移転をめぐる大混乱、地が裂け津浪が襲い余震が数十日続いた「元暦の地震」、微に入り細を穿つ悲惨さの描写には改めて驚かされる。大飢饉の中、僅かな食料を愛する肉親に先に食べさせる情の深い者ほど先に死んでいったこと、大地震がおさまるとやがて人々の口の端にものぼらなくなってしまうことなどの記述も印象に残る。これらの天変地異が、長明の20歳代に当たる1177年~1185年のわずか数年間に生じたことが、無常観を形成する大きな要因となったであろうことは想像に難くない。
『鴨長明』は、佐藤春夫が、鴨長明の日野の山奥での晩年を小説体にまとめた作品。長明が、庵に閑居している中、建暦元年(1211年)に友人だった飛鳥井雅経の推挙を受けて、将軍・源実朝の和歌の師として鎌倉へ下向した史実を元にしている。その中で、日野山の奥に閑居するに至った背景、後鳥羽院との関わり、長明の閑居を訪ねる雅経との関係、源家長との関係、鎌倉への下向、琵琶の名手であることなど、『方丈記』を味わう上で大変参考になる。Amazonのkindleで発売中(響林社文庫)。
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