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武道仮名暦

出版社 丸竹書房

ナレーター七味春五郎

再生時間 00:48:06

添付資料 なし

販売開始日 2025/8/1

トラック数 10

作品紹介

「武道仮名暦」

 山本周五郎による短編時代小説。

 南部藩の若き同心組頭・戸来伝八郎を主人公に、藩を揺るがす大きな陰謀と、彼の恋の行方を描いた作品です。江戸での三年間の務めを終え帰国した伝八郎が、旧敵との喧嘩沙汰や、伯父の娘であるお縫との複雑な関係に直面する中、津軽藩による国家老・津田将曹を操った陰謀の渦中に巻き込まれていきます。武士としての忠義、仲間との友情、そして一人の女性への想いの間で揺れ動く主人公の姿が、緊迫感あふれるストーリーの中で鮮やかに描かれています。


■「武道仮名暦」主な登場人物
戸来 伝八郎(へらい でんぱちろう)
 主人公。南部藩の二百石の同心組頭。闊達な性格だが、思ったことをすぐ口にするため喧嘩も多い。国を揺るがす陰謀に立ち向かう。

池田 玄蕃(いけだ げんば)
 伝八郎の伯父であり、藩の御側頭。伝八郎の後見人であり、その奔放な性格に頭を悩ませつつも、彼の器量を認めている。

お縫(おぬい)
 池田玄蕃の娘で、伝八郎の従妹。伝八郎に想いを寄せているが、素直になれない一面も。海部信之介に言い寄られている。

海部 信之介(かいべ しんのすけ)
 庄田流小太刀の使い手。お縫に剣術を教え、彼女に求婚する。伝八郎とは恋と藩の陰謀の両方で対立することになる。

曽根 忠太(そね ちゅうた)
 伝八郎の友人である若侍。伝八郎に協力し、津軽藩の動向を探る。

山田 募(やまだ つのる)
 伝八郎の友人である若侍。同じく伝八郎に協力し、国家老・津田将曹の身辺を探る。

栗林 源造(くりばやし げんぞう)
 御納戸奉行の子息。城中で伝八郎と喧嘩になり、鉄砲的場での果し合いを約束する。脱藩計画では信之介に同調する。

津田 将曹(つだ しょうそう)
 南部藩の国家老。津軽家と血縁があるため、陰謀に加担していると疑われている。


■作者:山本周五郎(やまもと しゅうごろう)
 山本周五郎(1903年6月22日 - 1967年2月14日)は、日本の小説家。本名は清水三十六(しみず さとむ)。山梨県出身。本名では作品を発表せず、生涯を通じて「山本周五郎」のペンネームで執筆活動を行いました。その作品は時代小説、歴史小説、現代小説と多岐にわたり、庶民の哀歓や武士の生き様、人間の尊厳などをテーマにした数多くの名作を生み出しました。

 代表作には『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『日本婦道記』『青べか物語』『季節のない街』などがあり、その多くが映画化、テレビドラマ化されています。大衆文学の分野で絶大な人気を博しながらも、文学賞の受賞を固辞し続けたことでも知られています。その作品は、深い人間洞察と温かい眼差しに貫かれており、今日なお多くの読者に愛され続けています。


■用語
拱手傍観(きょうしゅぼうかん)……手を出さずにただ眺めていること
出来(しゅったい)……事件が起こるとこと。物事ができあがること。
延引(えんいん)……物事を先に延ばすこと。
蔬菜(そさい)……野菜。青物。
紛擾(ふんじょう)……もめること。ゴタゴタ。
連袂(れんべい)……たもとをつらねること。行動を共にすること。
聴許(ちょうきょ)……訴えや願いを聞き入れて許すこと。
吉左右(きっそう)……よいしらせ。
君家(くんか)……主君の家。

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