作品紹介
精神科病棟の看護師たちは、夜な夜な患者をもてあそび、笑っていた。
彼らはごく普通の「いい子」たち......のはずだった。
2020年3月、兵庫県神戸市西区の精神科病院「神出病院」の看護師や看護助手ら6人の男が患者への虐待容疑で一斉に逮捕された。
看護の道を志して集まった彼らは、なぜ卑劣な犯行に手を染めたのか。
閉ざされた病棟ではいったい何が起きていたのか。
全国で相次ぐ同様の事件の背景には何があるのか?
地元紙神戸新聞の取材班が事件とその背景に迫る!
「年に数冊「日本中の人が読めばきっと何かが変わるのに」と思う本と巡り合う。
本書は紛れもなくその一冊だ。
――早見和真(小説家) 「毎日新聞」2024年8月3日 「話題の本」より
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目次
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プロローグ 押収したスマホから事件発覚
連続した女性わいせつ事件/虐待は手を替え品を替え/準備なしで迎えたXデー/「誰も気づかなかった」/黄ばんだ半紙に「おに」の文字
第1章 逮捕後も晴れない疑惑
病院への批判渦巻く分科会/捜査、裁判、病院単独の調査だけでは不十分/暴言と違法隔離/「死ぬまで入院」のうわさ/1年3カ月後のタレコミ/「タレコミは大筋事実」だが「公表はしない」/ようやく第三者委員会を設置へ
第2章 虐待を育んだ負の連鎖
カビの生えた病棟/罪を問われなかった過去の虐待と中心人物/84件の虐待――「蔓延の事実を隠せ」/利益優先の死亡退院/患者よりソリティアを優先する医師/1億円超の交際費と大阪医療界の寵児
第3章 精神科病院で何が起きているのか
孤立する家族/明治・大正の精神医療/戦中戦後の精神医療/約150年前からつながる価値観/虐待に通報義務なし/相次ぐ精神科病院での虐待事件/日本と真逆の政策を進めた欧米/地域移行への模索/民間依存の弊害とジレンマ/厚労省vs.日精協/「ドン」の本音/神出病院の事件で何か変わったのか
第4章 “普通の人”が虐待加害者になる時
企業ぐるみ・業界ぐるみの不正行為/事件を起こしたのは「特別な人間」ではない/組織における虐待の五つのトリガー/①匿名性――私がいなくなる/②組織性――仲間外れになりたくない/③リスキーシフト――悪乗りが止まらない/ ④服従欲求――従うしかなかった/⑤原因帰属理論――誰も責任をとらない/看護師の感情労働と教育/閉鎖的な環境から距離を置く
第5章 誰も正義の味方にはなれない
新体制1年――鬼を払って花を/「怖い。でも、今を見てほしい」/職員の「思い」を理念にまとめる/タテとヨコの「チーム医療」を活性化/「顔の見える関係」を築く――委員会活動/情報共有で患者とのコミュニケーションに変化――カンファレンス/虐待防止は医療の原点に戻ること――リカバリープログラム/精神科病院に日本の病理が凝縮している/3年半越しの謝罪/開かれた病院/職員たちの後悔と反省/誰も「正義の味方」になれない
おわりに/主要参考文献
彼らはごく普通の「いい子」たち......のはずだった。
2020年3月、兵庫県神戸市西区の精神科病院「神出病院」の看護師や看護助手ら6人の男が患者への虐待容疑で一斉に逮捕された。
看護の道を志して集まった彼らは、なぜ卑劣な犯行に手を染めたのか。
閉ざされた病棟ではいったい何が起きていたのか。
全国で相次ぐ同様の事件の背景には何があるのか?
地元紙神戸新聞の取材班が事件とその背景に迫る!
「年に数冊「日本中の人が読めばきっと何かが変わるのに」と思う本と巡り合う。
本書は紛れもなくその一冊だ。
――早見和真(小説家) 「毎日新聞」2024年8月3日 「話題の本」より
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目次
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プロローグ 押収したスマホから事件発覚
連続した女性わいせつ事件/虐待は手を替え品を替え/準備なしで迎えたXデー/「誰も気づかなかった」/黄ばんだ半紙に「おに」の文字
第1章 逮捕後も晴れない疑惑
病院への批判渦巻く分科会/捜査、裁判、病院単独の調査だけでは不十分/暴言と違法隔離/「死ぬまで入院」のうわさ/1年3カ月後のタレコミ/「タレコミは大筋事実」だが「公表はしない」/ようやく第三者委員会を設置へ
第2章 虐待を育んだ負の連鎖
カビの生えた病棟/罪を問われなかった過去の虐待と中心人物/84件の虐待――「蔓延の事実を隠せ」/利益優先の死亡退院/患者よりソリティアを優先する医師/1億円超の交際費と大阪医療界の寵児
第3章 精神科病院で何が起きているのか
孤立する家族/明治・大正の精神医療/戦中戦後の精神医療/約150年前からつながる価値観/虐待に通報義務なし/相次ぐ精神科病院での虐待事件/日本と真逆の政策を進めた欧米/地域移行への模索/民間依存の弊害とジレンマ/厚労省vs.日精協/「ドン」の本音/神出病院の事件で何か変わったのか
第4章 “普通の人”が虐待加害者になる時
企業ぐるみ・業界ぐるみの不正行為/事件を起こしたのは「特別な人間」ではない/組織における虐待の五つのトリガー/①匿名性――私がいなくなる/②組織性――仲間外れになりたくない/③リスキーシフト――悪乗りが止まらない/ ④服従欲求――従うしかなかった/⑤原因帰属理論――誰も責任をとらない/看護師の感情労働と教育/閉鎖的な環境から距離を置く
第5章 誰も正義の味方にはなれない
新体制1年――鬼を払って花を/「怖い。でも、今を見てほしい」/職員の「思い」を理念にまとめる/タテとヨコの「チーム医療」を活性化/「顔の見える関係」を築く――委員会活動/情報共有で患者とのコミュニケーションに変化――カンファレンス/虐待防止は医療の原点に戻ること――リカバリープログラム/精神科病院に日本の病理が凝縮している/3年半越しの謝罪/開かれた病院/職員たちの後悔と反省/誰も「正義の味方」になれない
おわりに/主要参考文献
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