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米の武士道

出版社 丸竹書房

ナレーター七味春五郎

再生時間 00:46:55

添付資料 なし

販売開始日 2025/6/25

トラック数 5

作品紹介

幕末の動乱期、甲州を舞台に繰り広げられる、信念と民衆を守る真の武士道を描いた物語。

【あらすじ】
 大政奉還後の混乱が続く甲州。裏富士の麓、石和郡代として赴任してきた若き料治新兵衛(りょうじ しんべえ)は、領民から厚い信頼を寄せられていた。
 しかしある日、新兵衛は突如として支配下の五ヶ村に対し、百姓たちの貯蔵米を根こそぎ社倉(地域の備蓄倉庫)へ運び込むという強硬手段に出る。

五ヶ村名代名主の秋山五郎右衛門(あきやま ごろうえもん)とその娘お千代(おちよ)をはじめ、領民たちは敬愛していた新兵衛の豹変ぶりに驚き、怒り、絶望する。特に五郎右衛門は、米を取り上げようとする新兵衛に抵抗し、命の危険に晒される。お千代は父を救うが、信じていた新兵衛への疑念と悲しみに苛まれる。

 折しも、官軍の東征が迫り、甲府城では籠城戦に備え、近隣から兵糧米の借上げが始まっていた。五郎右衛門は、城の命令を待たずに米を奪った新兵衛の「差し越した行い」を城代に訴えようとする。

 しかし、お千代は偶然にも、新兵衛が城からの使者に対し、「社倉の米は領民のための備荒貯蓄であり、戦のための兵糧ではない」と、きっぱりと引き渡しを拒否する場面を目撃する。新兵衛の真意は、城からの徴発や戦乱による略奪から、領民の命の糧である米を守り抜くことにあったのだ。
 やがて、米の引き渡しを拒まれた城の武士や新撰組の隊士を名乗る者たちが、社倉の米を焼き払おうと実力行使に出る。新兵衛はわずかな手勢でこれに立ち向かう。彼の真意を知った五郎右衛門とお千代、そして五ヶ村の領民たちは…。

【解説】
 山本周五郎が描く「米の武士道」は、従来の刀槍による武功や主君への盲目的な忠誠とは一線を画す、民衆の生活と未来を守ることを本分とする指導者の姿を描いた作品です。

 物語の舞台は、慶応三年(1867年)の大政奉還から翌年の戊辰戦争へと向かう激動の時代。若き郡代・料治新兵衛は、一見すると冷酷非情な手段で領民の米を取り上げますが、その真意は、目前に迫る戦乱とそれに伴う徴発から、民衆の命綱である食料を守り抜くという深い洞察と決意にありました。

 新兵衛の行動は、旧来の幕藩体制への忠誠ではなく、土地に生きる人々への責任と、来るべき新しい時代(維新政府)へその資源を引き渡すという、より普遍的な「武士道」の実践として描かれています。「米は国の稔り(基盤)」であるとし、それを守ることこそが真の義であると、身を挺して示します。

 登場人物たちの信頼と裏切り、誤解と理解が交錯する中で、本当の「強さ」や「正しさ」とは何かを問いかけます。特に、新兵衛を信じたいと願うお千代の視点を通して、表面的な行動の裏にある真意を見抜くことの難しさと大切さが浮き彫りにされます。
 民衆のために尽くすという、山本周五郎作品に一貫して流れるテーマが色濃く表れた、感動的な物語です。


【登場人物】
料治 新兵衛(りょうじ しんべえ): 石和郡代。若いが明敏で果断。領民の信頼を得ていたが、突如、百姓たちの米を社倉へ強制的に集める。その真意は民衆の米を守ることにあった。

お千代(おちよ): 秋山五郎右衛門の娘。心優しく、新兵衛を信じていたが、彼の行動に深く悩み、苦しむ。やがてその真意を知り、父や村人たちに伝える。

秋山 五郎右衛門(あきやま ごろうえもん): 美富村など五ヶ村の名代名主。実直で人望が厚い。新兵衛を高く評価していたが、米の強制徴収に激しく抵抗し、裏切られたと感じる。

弥平(やへい): 美富村の老爺。新兵衛による米の取り上げを五郎右衛門の屋敷に知らせに来る。

太助(たすけ): 五郎右衛門の下男。お千代と共に五郎右衛門を守る。

柴田 監物(しばた けんもつ): 甲府城の勤番の士。籠城に備え、社倉の米を城へ移すよう新兵衛に命じるが、拒否される。

保々 忠太郎(ほぼ ちゅうたろう): 甲府城の勤番の士。柴田と共に、また後に新撰組隊士を名乗る者たちと現れる。

山田 権之助(やまだ ごんのすけ)、海野 伊八郎(うんの いはちろう): 甲府城の与力。兵糧米の借上げに回る。

近藤勇の隊士とされる人物: 新撰組の隊士を名乗り、保々と共に現れた集団のリーダー格。社倉の米を焼き払おうとする。

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