作品紹介
【小学館の名作文芸朗読】
大学生の中村は博物館の二階にある爬虫類の標本室に向かう。去年の夏以来、三重子と出合う場所にここを選んだのは、人目を避けるため。今日も十分と待たせるはずはないと思いながらも、心は少しも喜びに躍っていない。彼は三重子に忠実だったが、彼女は半年の間に不良少女になった。彼が熱情を失ったのは、三重子の責任である。少なくとも幻滅の結果であって、決して倦怠の結果などではない。確かに愛してはいるのだが・・・。
大学生の中村は博物館の二階にある爬虫類の標本室に向かう。去年の夏以来、三重子と出合う場所にここを選んだのは、人目を避けるため。今日も十分と待たせるはずはないと思いながらも、心は少しも喜びに躍っていない。彼は三重子に忠実だったが、彼女は半年の間に不良少女になった。彼が熱情を失ったのは、三重子の責任である。少なくとも幻滅の結果であって、決して倦怠の結果などではない。確かに愛してはいるのだが・・・。
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