イギリス・古き良き時代の機関車SL（世界の音風景シリーズ）

ポッドキャスト「木村勝英のサウンドミュージアム」にて配信したシリーズ「世界の音風景」から、「イギリス・古き良き時代の機関車SL」をお届けします。

イギリス中央に位置する都市バーミンガム。その近郊にイギリス保存鉄道のセバーン・バレー鉄道（Severn Valley Railway）が走っている。その名の通りセバーン川の中流に沿って線路が引かれた渓谷鉄道です。
イギリスは鉄道発祥の地。かつて古き良き時代に本線を力強く走っていた蒸気機関車は動態保存され、再び息を吹き返して走る。その姿は撮り鉄、乗り鉄はもちろん観光客にとっても大きな魅力となっています。また、このセバーン・バレー鉄道は「Gala（ガーラ）」という大規模な祭典が年に数回行われ、他の保存鉄道に在籍する機関車や車両がゲストとして参加するなど、さまざまなイベントが繰り広げられています。
いよいよ出発準備に取り掛かります。
吹き出しです。機関車の移動です。白い蒸気をシリンダーのそばからシューと吐き出しながら静かに動輪が滑るように近づいて来ます。収録は機関室からです。石炭を火室にくべてボイラーで高圧の蒸気を発生させます。機関車はバックしながら再びゆっくりとホームへと向かいます。ホームに到着しました。いよいよ発車です。
SLは石炭を燃やし、ボイラーで沸騰した蒸気の圧力でシリンダーが往復し、主連棒（しゅれんぼう）を動かし、動輪を回転させて走ります。
セバーン・バレー鉄道。カラフルな機関車が笛のような汽笛を鳴らして渓谷を走り抜けます。
勾配が「早い」と黒い煙を煙突から高く上げて、シュシュポポと呼吸をしながらリズムを力強く打って生きた動物のように走る・・・また「ぬるい」勾配に変わると心地のいい小刻みにちらした音像のかけらが楽器に替わり旋律となって届けてくれる。このように登り斜面から下り斜面へ、また平たんなところから登り斜面へと、それぞれに切り替わる時の音風景はなかなかなものです。お聴きください。

単品では下記3シリーズを1作品ずつご購入いただけます。こちらもぜひご利用ください。

音で読む小説
世界の音風景
音の歳時記