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作品紹介
【小学館の名作文芸朗読】
昔、京都に利助という陶器を造る名人がいた。彼は薄手の純白の陶器に藍と金粉で花鳥や動物を繊細に描いた。死後、百年近く経った江戸末期、ある男が日本橋の骨董店で利助のさかずきを手に入れる。以来、そのさかずきで毎晩酒を飲むようになる。彼が亡くなると女房が、母親が亡くなると息子が、さかずきに酒をついで仏壇に備えた。だが孫の代になると、東京へ出た彼はさかずきを古道具屋に売ってしまう。
昔、京都に利助という陶器を造る名人がいた。彼は薄手の純白の陶器に藍と金粉で花鳥や動物を繊細に描いた。死後、百年近く経った江戸末期、ある男が日本橋の骨董店で利助のさかずきを手に入れる。以来、そのさかずきで毎晩酒を飲むようになる。彼が亡くなると女房が、母親が亡くなると息子が、さかずきに酒をついで仏壇に備えた。だが孫の代になると、東京へ出た彼はさかずきを古道具屋に売ってしまう。
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