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春の日の光(日本近代文学名作選19)
ナレーター長尾奈奈
再生時間 00:14:30
添付資料 なし
販売開始日 2024/10/8
トラック数 1
購入音源の倍速版 なし(アプリでの倍速再生は可能です)
作品紹介
【日本近代文学名作選(19)】
宇野浩二(明治24年- 昭和36年)による童話
「孝吉には父さんがない。孝吉の父さんは孝吉が生れた年に、亡くなつてしまつた。後には財産といふ程のものが少しもなかつたので、孝吉の母さんは小さい孝吉を胸にかゝへて、その時からこの暗い、小さな裏長屋に引越して來たのであつた。それは人がやつと二人ならんで歩けるか、歩けないくらゐの狭い路地の中で、それに片側はいづれもあばら家ながらニ階建になつてゐたが、孝吉の家の方の側は平家建になつてゐて、おまけに裏手には見上げるやうな高い煉瓦造りの工場が立ってゐた。だから、朝の日の光は、向側の家に遮られて射して來ず、午後の日の光は裏手の工場のために少しも當らなかった。それに床の高さが一尺もないので、家の中は始終じめじめしてゐて、年中日の光といふものを見ることが出來なかつた。その中で孝吉の母さんは他家の針仕事をしたり、」ーー
朗読:長尾奈奈
企画/制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
(C)2024 声の書店.
宇野浩二(明治24年- 昭和36年)による童話
「孝吉には父さんがない。孝吉の父さんは孝吉が生れた年に、亡くなつてしまつた。後には財産といふ程のものが少しもなかつたので、孝吉の母さんは小さい孝吉を胸にかゝへて、その時からこの暗い、小さな裏長屋に引越して來たのであつた。それは人がやつと二人ならんで歩けるか、歩けないくらゐの狭い路地の中で、それに片側はいづれもあばら家ながらニ階建になつてゐたが、孝吉の家の方の側は平家建になつてゐて、おまけに裏手には見上げるやうな高い煉瓦造りの工場が立ってゐた。だから、朝の日の光は、向側の家に遮られて射して來ず、午後の日の光は裏手の工場のために少しも當らなかった。それに床の高さが一尺もないので、家の中は始終じめじめしてゐて、年中日の光といふものを見ることが出來なかつた。その中で孝吉の母さんは他家の針仕事をしたり、」ーー
朗読:長尾奈奈
企画/制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
(C)2024 声の書店.
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