聴き放題対象
桃太郎(音で読む小説シリーズ)
ナレーター清水じゅん
再生時間 01:06:26
添付資料 あり(1)
販売開始日 2024/9/30
トラック数 6
購入音源の倍速版 なし(アプリでの倍速再生は可能です)
作品紹介
「桃太郎」 合計1時間06分30秒
桃太郎は日本で最も知られている童話。物語は江戸時代の初期の頃に原型ができたとされ、起源は諸説あって大和朝廷が権力をふるった4世紀〜6世紀ごろ、大和朝廷と同じくらいの勢力もった吉備の国があり、大和朝廷の皇子である桃太郎が吉備の国の鬼を退治するといった桃太郎伝説が岡山地域に広まっていったと言われています。
川上から流れてきた大きな桃から生まれた男の子がやがて成長して、家来の犬、猿、雉と共に鬼退治に出る姿は、古くから勇敢さの象徴とされ、多くの人に伝えられてきました。
語り入りバージョンの後にサウンドトラックが続く構成となっています。この音環境は「ヘッドフォン」又は「オーディオ機器」で聴いて頂くことを推奨します。一層、音場の情景や背景の立体感や臨場感が得られます。
桃太郎 楠山正雄 語り 清水じゅん
<音のあらすじ>
1) (11分10秒)
音の構成は背景や情景、そして描写等を効果音と音楽で物語に沿って進行してゆきます。
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがありました。
毎日、おじいさんは山へしば刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。ある日、おばあさんが川のそばで、せっせと洗濯をしていますと、川上から大きな桃が一つ「ドンブラコッコ、スッコッコ。ドンブラコッコ、スッコッコ」と流れて来ました。おばあさんは「・・・みごとな桃だこと、おじいさんのおみやげに持って帰りましょう」と、言いながら腰をかがめて桃を取ろうとしましたが、遠くて手がとどきません。おばあさんは「あっちの水は、か〜らいぞ。こっちの水は、あ〜まいぞ。か〜らい水は、よけてこい、あ〜まい水に、よってこい」と手を叩きながら歌いました。
桃はまた「ドンブラコッコ、スッコッコ。ドンブラコッコ、スッコッコ」と言いながら、あばあさんの前へ流れて来たのです。おばあさんは川から桃をひろい、洗濯物と一緒にたらいに入れて、えっちら、おっちら、かかえて家へ持って帰りました。
夕方になっておじいさんが山からしばを背負って帰って来ると、おばあさんが戸棚の中にしまっていた桃を重そうに抱え、おじいさんに見せるとおじいさんは嬉しそうに、桃を両手に乗せて、ためつ、すがめつ、ながめていますと、だしぬけに桃は、ぼんと中から二つに割れて、「おぎゃ〜、おぎゃ〜」と勇ましい産声を上げて、かわいい赤さんが元気よくとび出しました。「・・・きっと神さまがこの子をさずけてくださったにちがいない・・・」と、二人は大変喜びました。桃の中から生まれた子だというので、この子に桃太郎という名をつけました。それから赤ん坊はすくすく育ち、やがて一五になりました。その頃、日本国中で桃太郎より強いものはいませんでした。桃太郎はどこか外国へ出かけて、腕いっぱい、力だめしをしてみたくなりました。すると、ほうぼう外国の島々を巡って帰って来た人がいろいろめずらしいふしぎな話をした末に「もう何年も、何年も、船を漕いで行くと、遠い遠い海のはてに、鬼ヶ島というところがある。悪い鬼どもがいかめしい黒鉄(くろがね)のお城の中に住んで、ほうぼうの国からかすめ取った貴い宝物を守っている」と言いました。
桃太郎はこの話を聞くと、居ても立っても居られなくなりました。桃太郎は家に帰り、おじいさんの前へ出て、鬼ヶ島へ鬼を征伐(せいばつ)に行きたいとお願いするのです。「それは、勇ましい事だ・・・」と、おじいさんは承知してくれました。
2)(10分37秒)
そこで、おじいさんとおばあさんは桃太郎にきびだんごを持たしてやろうと、庭のまん中に小屋から大きな臼(うす)を持ち出しました。おじいさんはきねをとり、おばあさんはこねどりをして「べんだらこっこ、べんだらこっこ・・・」と、つきはじめたのです。
しばらくして、きびだんごが出来上がると、桃太郎の旅支度も出来上がったのです。侍の着るような陣羽織を着て、刀を腰にさし、きびだんごの袋をぶら下げました。それから桃の絵の描いてある軍扇を手に持ち、立派な旅姿になったのです。
桃太郎は「では、おとうさん、おかあさん、行ってまいります」と言って、丁寧に頭を下げて鬼征伐の旅へ出発しました。
おじいさんとおばあさんの二人は門の外に立っていつまでも見送っていました。
桃太郎はずんずん行くと大きな山の上に来ました。
すると、草むらの中から突然「ワンワン」と声かけながら犬が1匹かけて来ました。犬は桃太郎にどこへ行くのかを問い、鬼征伐に行くと聞いて、きびだんごをもらい、桃太郎にお供すると後について来ました。
それから山を下りて森の中に入って行くと木の上から「キャッ、キャッ」と叫びながら、1匹の猿が木の枝を伝わって駆け下りてきました。
猿も、きびだんごをもらい、桃太郎の後からついてきました。
それから山を下りて、森を抜けて、今度はひろい野原に出ました。
すると空のほうで「ケン、ケン」と鳴く声がして、雉(きじ)が1羽、木の枝に飛んで降りてきました。雉も、桃太郎からきびだんごをもらって後からついて来ました。
道中、きびだんごと引き換えに家来にした犬、猿、雉、をお供に
野や山を越えてずんずん進んで行きました。やがて波の音が聞こえ、広い海岸に出たのです。見るといい具合に、船が一そうつないでありました。桃太郎と三人の家来はさっそく、船に乗り込み、 犬はろを漕(こ)ぎ、猿は舵(かじ)をとり、雉は舳先(へさき)で見張りに立って、船は進みました。うららかな良い天気で、真っ青な海の上には、波一つ立ちませんでした。すると不思議、突然に稲妻(いなづま)が走るようだというか、矢を射るようだといおうか、目のまわるような速さで船は走ったのです。
一時間も走ったと思う頃、舳先に立って向こうを眺めていた雉が「あれ、あれ、島が」と叫びながら、ばたばたと高い羽音をさせて、空に飛び上がったと思うと、スウッと真っ直ぐに風を切って飛んで行きました。
3) (11分29秒)
桃太郎も雉が飛び去ったあと、その先の遠い海のはてを見ると、ぼんやり雲のような薄黒いものが見えました。船が進むにつれ、だんだんはっきりと島の形になって「ああ、見える、見える、鬼ヶ島が見える」と桃太郎がこういうと、犬と猿が「万歳、万歳」と声をそろえて叫びました。次第に硬い岩で積み上げた鬼の城が現れ、黒鉄(くろがね)の城門の前に見張をしている鬼の兵隊の姿もありました。お城の一番高い屋根の上では家来の雉がこちらを見ていました。この鬼ヶ島へは、何年も、何年も、船を漕いで来なければならないというのにわずかの間に着いたのです。
桃太郎は犬と猿を従えて、船から陸(おか)にひらりと飛び上がったのです。城門で見張りをしていた鬼の兵隊たちはびっくりして門の中に逃げ込み、黒鉄の門を固く閉めてしまいました。その時、門の外に立った犬が大声で「日本の桃太郎さんがお前たちを成敗(せいばい)に来た。開けろ、開けろ」と、ドン、ドンと扉を叩きました。鬼たちはその声を聞くと、ふるい上がって、よけい力強く中から門を押さえ込んだのです。すると、屋根の上から雉が飛んで来て、門番たちの目をつつき始めました。鬼どもが逃げ回っている間に、猿が高い岩壁をよじ登り、裏から城門をすばやく開けました。桃太郎が「わあッ」と、ときの声を上げて勇ましくお城の中に攻め込みました。鬼の大将が大勢の家来を引き連れて、一人一人、太い鉄の棒をふりまわしながら「おう、おう」とむかって来たのです。
けれども、体が大きいばっかりでいくじのない鬼たちは、雉にさんざん目を突かれ、今度は犬に向こうずねを食いつかれて、猿に顔を引っかかれては泣きだして、鉄の棒もなにもかも放り投げて降参(こうさん)してしまいました。最後まで戦っていた鬼の大将もついに桃太郎の怪力で首を絞められ苦しくてたまらず、大粒の涙をぼろぼろこぼしながら「降参します、降参します。命だけは助けて下さい。その代わりに宝物をのこらず差し上げます」と、いくじのない鬼の軍勢は総崩れしたのです。それから宝物を山のように差し出され、桃太郎は三人の家来と共に、また船に乗りました。帰りは行きよりもまた一層船の走るのが速くって、あっというまに日本の国に着きました。船が陸に着くと、大八車に宝物をいっぱい積んで、犬が先に引き出し、雉が綱を引き、猿が後を押しました。「えんやらさ、えんやらさ」三人は重そうに、掛け声をかけて進んで行きました。
家ではおじいさんと、お婆さんが変わるがわる「もう桃太郎が帰りそうなものだが」と、首をのばして待っていました。
そこへ家来たちと山ほどの財宝を積んで国へ帰った桃太郎は、
桜の咲き乱れる中で名実ともに日本一になるのでした。
桃太郎は日本で最も知られている童話。物語は江戸時代の初期の頃に原型ができたとされ、起源は諸説あって大和朝廷が権力をふるった4世紀〜6世紀ごろ、大和朝廷と同じくらいの勢力もった吉備の国があり、大和朝廷の皇子である桃太郎が吉備の国の鬼を退治するといった桃太郎伝説が岡山地域に広まっていったと言われています。
川上から流れてきた大きな桃から生まれた男の子がやがて成長して、家来の犬、猿、雉と共に鬼退治に出る姿は、古くから勇敢さの象徴とされ、多くの人に伝えられてきました。
語り入りバージョンの後にサウンドトラックが続く構成となっています。この音環境は「ヘッドフォン」又は「オーディオ機器」で聴いて頂くことを推奨します。一層、音場の情景や背景の立体感や臨場感が得られます。
桃太郎 楠山正雄 語り 清水じゅん
<音のあらすじ>
1) (11分10秒)
音の構成は背景や情景、そして描写等を効果音と音楽で物語に沿って進行してゆきます。
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがありました。
毎日、おじいさんは山へしば刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。ある日、おばあさんが川のそばで、せっせと洗濯をしていますと、川上から大きな桃が一つ「ドンブラコッコ、スッコッコ。ドンブラコッコ、スッコッコ」と流れて来ました。おばあさんは「・・・みごとな桃だこと、おじいさんのおみやげに持って帰りましょう」と、言いながら腰をかがめて桃を取ろうとしましたが、遠くて手がとどきません。おばあさんは「あっちの水は、か〜らいぞ。こっちの水は、あ〜まいぞ。か〜らい水は、よけてこい、あ〜まい水に、よってこい」と手を叩きながら歌いました。
桃はまた「ドンブラコッコ、スッコッコ。ドンブラコッコ、スッコッコ」と言いながら、あばあさんの前へ流れて来たのです。おばあさんは川から桃をひろい、洗濯物と一緒にたらいに入れて、えっちら、おっちら、かかえて家へ持って帰りました。
夕方になっておじいさんが山からしばを背負って帰って来ると、おばあさんが戸棚の中にしまっていた桃を重そうに抱え、おじいさんに見せるとおじいさんは嬉しそうに、桃を両手に乗せて、ためつ、すがめつ、ながめていますと、だしぬけに桃は、ぼんと中から二つに割れて、「おぎゃ〜、おぎゃ〜」と勇ましい産声を上げて、かわいい赤さんが元気よくとび出しました。「・・・きっと神さまがこの子をさずけてくださったにちがいない・・・」と、二人は大変喜びました。桃の中から生まれた子だというので、この子に桃太郎という名をつけました。それから赤ん坊はすくすく育ち、やがて一五になりました。その頃、日本国中で桃太郎より強いものはいませんでした。桃太郎はどこか外国へ出かけて、腕いっぱい、力だめしをしてみたくなりました。すると、ほうぼう外国の島々を巡って帰って来た人がいろいろめずらしいふしぎな話をした末に「もう何年も、何年も、船を漕いで行くと、遠い遠い海のはてに、鬼ヶ島というところがある。悪い鬼どもがいかめしい黒鉄(くろがね)のお城の中に住んで、ほうぼうの国からかすめ取った貴い宝物を守っている」と言いました。
桃太郎はこの話を聞くと、居ても立っても居られなくなりました。桃太郎は家に帰り、おじいさんの前へ出て、鬼ヶ島へ鬼を征伐(せいばつ)に行きたいとお願いするのです。「それは、勇ましい事だ・・・」と、おじいさんは承知してくれました。
2)(10分37秒)
そこで、おじいさんとおばあさんは桃太郎にきびだんごを持たしてやろうと、庭のまん中に小屋から大きな臼(うす)を持ち出しました。おじいさんはきねをとり、おばあさんはこねどりをして「べんだらこっこ、べんだらこっこ・・・」と、つきはじめたのです。
しばらくして、きびだんごが出来上がると、桃太郎の旅支度も出来上がったのです。侍の着るような陣羽織を着て、刀を腰にさし、きびだんごの袋をぶら下げました。それから桃の絵の描いてある軍扇を手に持ち、立派な旅姿になったのです。
桃太郎は「では、おとうさん、おかあさん、行ってまいります」と言って、丁寧に頭を下げて鬼征伐の旅へ出発しました。
おじいさんとおばあさんの二人は門の外に立っていつまでも見送っていました。
桃太郎はずんずん行くと大きな山の上に来ました。
すると、草むらの中から突然「ワンワン」と声かけながら犬が1匹かけて来ました。犬は桃太郎にどこへ行くのかを問い、鬼征伐に行くと聞いて、きびだんごをもらい、桃太郎にお供すると後について来ました。
それから山を下りて森の中に入って行くと木の上から「キャッ、キャッ」と叫びながら、1匹の猿が木の枝を伝わって駆け下りてきました。
猿も、きびだんごをもらい、桃太郎の後からついてきました。
それから山を下りて、森を抜けて、今度はひろい野原に出ました。
すると空のほうで「ケン、ケン」と鳴く声がして、雉(きじ)が1羽、木の枝に飛んで降りてきました。雉も、桃太郎からきびだんごをもらって後からついて来ました。
道中、きびだんごと引き換えに家来にした犬、猿、雉、をお供に
野や山を越えてずんずん進んで行きました。やがて波の音が聞こえ、広い海岸に出たのです。見るといい具合に、船が一そうつないでありました。桃太郎と三人の家来はさっそく、船に乗り込み、 犬はろを漕(こ)ぎ、猿は舵(かじ)をとり、雉は舳先(へさき)で見張りに立って、船は進みました。うららかな良い天気で、真っ青な海の上には、波一つ立ちませんでした。すると不思議、突然に稲妻(いなづま)が走るようだというか、矢を射るようだといおうか、目のまわるような速さで船は走ったのです。
一時間も走ったと思う頃、舳先に立って向こうを眺めていた雉が「あれ、あれ、島が」と叫びながら、ばたばたと高い羽音をさせて、空に飛び上がったと思うと、スウッと真っ直ぐに風を切って飛んで行きました。
3) (11分29秒)
桃太郎も雉が飛び去ったあと、その先の遠い海のはてを見ると、ぼんやり雲のような薄黒いものが見えました。船が進むにつれ、だんだんはっきりと島の形になって「ああ、見える、見える、鬼ヶ島が見える」と桃太郎がこういうと、犬と猿が「万歳、万歳」と声をそろえて叫びました。次第に硬い岩で積み上げた鬼の城が現れ、黒鉄(くろがね)の城門の前に見張をしている鬼の兵隊の姿もありました。お城の一番高い屋根の上では家来の雉がこちらを見ていました。この鬼ヶ島へは、何年も、何年も、船を漕いで来なければならないというのにわずかの間に着いたのです。
桃太郎は犬と猿を従えて、船から陸(おか)にひらりと飛び上がったのです。城門で見張りをしていた鬼の兵隊たちはびっくりして門の中に逃げ込み、黒鉄の門を固く閉めてしまいました。その時、門の外に立った犬が大声で「日本の桃太郎さんがお前たちを成敗(せいばい)に来た。開けろ、開けろ」と、ドン、ドンと扉を叩きました。鬼たちはその声を聞くと、ふるい上がって、よけい力強く中から門を押さえ込んだのです。すると、屋根の上から雉が飛んで来て、門番たちの目をつつき始めました。鬼どもが逃げ回っている間に、猿が高い岩壁をよじ登り、裏から城門をすばやく開けました。桃太郎が「わあッ」と、ときの声を上げて勇ましくお城の中に攻め込みました。鬼の大将が大勢の家来を引き連れて、一人一人、太い鉄の棒をふりまわしながら「おう、おう」とむかって来たのです。
けれども、体が大きいばっかりでいくじのない鬼たちは、雉にさんざん目を突かれ、今度は犬に向こうずねを食いつかれて、猿に顔を引っかかれては泣きだして、鉄の棒もなにもかも放り投げて降参(こうさん)してしまいました。最後まで戦っていた鬼の大将もついに桃太郎の怪力で首を絞められ苦しくてたまらず、大粒の涙をぼろぼろこぼしながら「降参します、降参します。命だけは助けて下さい。その代わりに宝物をのこらず差し上げます」と、いくじのない鬼の軍勢は総崩れしたのです。それから宝物を山のように差し出され、桃太郎は三人の家来と共に、また船に乗りました。帰りは行きよりもまた一層船の走るのが速くって、あっというまに日本の国に着きました。船が陸に着くと、大八車に宝物をいっぱい積んで、犬が先に引き出し、雉が綱を引き、猿が後を押しました。「えんやらさ、えんやらさ」三人は重そうに、掛け声をかけて進んで行きました。
家ではおじいさんと、お婆さんが変わるがわる「もう桃太郎が帰りそうなものだが」と、首をのばして待っていました。
そこへ家来たちと山ほどの財宝を積んで国へ帰った桃太郎は、
桜の咲き乱れる中で名実ともに日本一になるのでした。
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