宗近新八郎

■あらすじ
　御意討ち――
　宗近新八郎は、藩政を私する城代家老を斬ることを命じられる

　事態は二転三転していくが――
　琴と尺八の名手二人の恋愛がすがすがしい、武家物の名作です。
　


■登場人物
宗近新八郎……剣の達者にして、尺八もよくつかう。おぬいと結婚が決まっている。
おぬい……剛兵衛の娘。琴の名手。
外村剛兵衛……御蔵奉行
銀之助……剛兵衛の長男。
市之丞……剛兵衛の末弟。
戸沢監物……常陸国手綱藩城代家老。小太刀の達者、
平林六郎右衛門……新八郎に、御意討ちを命ずる。

■用語集
寸志……スンシ・心ばかりの贈り物。自分のおくりものをへりくだって云う。
徒費……トヒ・金銭、時間労力などを無駄に使うこと。
想夫恋……ソウフレン・雅楽
幽遠……ユウエン・奥深く、はるかなこと。
姚冶……ヨウヤ・顔かたちが美しく、なまめかしい。
点綴……テンテイ・一つ一つを綴り合わせて結びつけること。
感興……カンキョウ・何かを見たり聞いたりして興味がわくこと。
けぶり……それらしいようす。そぶり。
あやめ……模様。色合い。
糸竹……シチク・和楽器の総称。
眉宇……ビウ・まゆのあたり。
侍者……ジシャ・貴人の側に仕えて雑用を務める者。
うろん……正体の怪しく疑わしいこと。また、確か出ないこと。真実かどうか疑わしいこと。
擡頭……タイトウ・いきおいをましてくること。
細目……サイモク・細かい点について規定してある項目。
いちがいに……細かい才を問題にしないで、一様にあつかうさま。
大幅……タイフク・大きな掛け物掛け軸。
金子……キンス・貨幣。関西では銀子が阿悪用いられた。
同心……ドウシン・目的、志などを同じくすること。
画幅……ガフク・絵画の軸物
管弦……カンゲン・管楽器と弦楽器
蕭条……ショウジョウ・ひっそりとものさびしいさま
疾呼……シッコ・口早に激しく呼び立てること。