作品紹介
【日本近代文学名作選(17)】
宮沢賢治(明治29年- 昭和8年)による童話
「城あとのおおばこの実は結び、赤つめ草の花は枯れて焦茶色になり、畑の粟は刈られました。『刈られたぞ』と言いながら一ぺんちょっと顔を出した野鼠がまた急いで穴へひっこみました。崖やほりには、まばゆい銀のすすきの穂が、いちめん風に波立っています。その城あとのまん中に、小さな四っ角山があって、上のやぶには、めくらぶどうの実が虹のように熟れていました。さて、かすかなかすかな日照り雨が降りましたので、草はきらきら光り、向こうの山は暗くなりました。そのかすかなかすかな日照り雨が霽れましたので、草はきらきら光り、向こうの山は明るくなって、たいへんまぶしそうに笑っています。」ーー
朗読:長尾奈奈
企画/制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
(C)2024 声の書店.
宮沢賢治(明治29年- 昭和8年)による童話
「城あとのおおばこの実は結び、赤つめ草の花は枯れて焦茶色になり、畑の粟は刈られました。『刈られたぞ』と言いながら一ぺんちょっと顔を出した野鼠がまた急いで穴へひっこみました。崖やほりには、まばゆい銀のすすきの穂が、いちめん風に波立っています。その城あとのまん中に、小さな四っ角山があって、上のやぶには、めくらぶどうの実が虹のように熟れていました。さて、かすかなかすかな日照り雨が降りましたので、草はきらきら光り、向こうの山は暗くなりました。そのかすかなかすかな日照り雨が霽れましたので、草はきらきら光り、向こうの山は明るくなって、たいへんまぶしそうに笑っています。」ーー
朗読:長尾奈奈
企画/制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
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