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廃都東京(日本近代文学名作選(15))
ナレーター長尾奈奈
再生時間 00:04:31
添付資料 なし
販売開始日 2024/8/22
トラック数 1
購入音源の倍速版 なし(アプリでの倍速再生は可能です)
作品紹介
【日本近代文学名作選(15)】
芥川龍之介(明治25年 - 昭和2年)による書簡
「加藤武雄様。東京を弔ふの文を作れと云ふ仰せは正に拝承しました。又おひきうけしたことも事実であります。しかしいざ書かうとなると、匆忙の際でもあり、どうも気乗りがしませんから、この手紙で御免を蒙りたいと思ひます。応仁の乱か何かに遇つた人の歌に、「汝も知るや都は野べの夕雲雀揚るを見ても落つる涙は」と云ふのがあります。丸の内の焼け跡を歩いた時にはざつとああ云ふ気がしました。水木京太氏などは銀座を通ると、ぽろぽろ涙が出たさうであります。(尤も全然センテイメンタルな気もちなしにと云ふ断り書があるのですが)けれども僕は「落つる涙は」と云ふ気がしたきり、実際は涙を落さずにすみました。」ーー
初出 大正12年(1923)「文章倶楽部」
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このオーディオブックは、2024年3月23日、日本近代文学館で上演した「朗読タイムレスストーリーシリーズ」を新たに収録した作品です。
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朗読:長尾奈奈
企画/制作:声の書店
協力:株式会社 仕事/ROUDOKU.TALKER.JP
(C)2024 声の書店.
芥川龍之介(明治25年 - 昭和2年)による書簡
「加藤武雄様。東京を弔ふの文を作れと云ふ仰せは正に拝承しました。又おひきうけしたことも事実であります。しかしいざ書かうとなると、匆忙の際でもあり、どうも気乗りがしませんから、この手紙で御免を蒙りたいと思ひます。応仁の乱か何かに遇つた人の歌に、「汝も知るや都は野べの夕雲雀揚るを見ても落つる涙は」と云ふのがあります。丸の内の焼け跡を歩いた時にはざつとああ云ふ気がしました。水木京太氏などは銀座を通ると、ぽろぽろ涙が出たさうであります。(尤も全然センテイメンタルな気もちなしにと云ふ断り書があるのですが)けれども僕は「落つる涙は」と云ふ気がしたきり、実際は涙を落さずにすみました。」ーー
初出 大正12年(1923)「文章倶楽部」
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このオーディオブックは、2024年3月23日、日本近代文学館で上演した「朗読タイムレスストーリーシリーズ」を新たに収録した作品です。
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朗読:長尾奈奈
企画/制作:声の書店
協力:株式会社 仕事/ROUDOKU.TALKER.JP
(C)2024 声の書店.
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