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狐の渡(日本近代文学名作選(12))
ナレーター長尾奈奈
再生時間 00:04:00
添付資料 なし
販売開始日 2024/6/26
トラック数 1
購入音源の倍速版 なし(アプリでの倍速再生は可能です)
作品紹介
【日本近代文学名作選(12)】
土田耕平(明治28年- 昭和15年)による童話『狐の渡』
「むかし、一人の旅人が、科野の国に旅して、野路を踏みたがへ、犀川べりへ出ました。むかうへ渡りたいと思ひましたが、あたりに橋もなし、渡も見えず、困つてをりますと、「もうし、旅のお人。」 といふ声がします。見ると、いつどこからとも知らず、一人のうつくしい顔した子どもが舟をこぎよせてゐるのでした。「渡しのコン助といふものだが渡しの御用はないかな。」 といひますので、「御用は大有りだ。早くわたしてくれ。」 と旅人は舟にとび乗りますと、子どもは艪をたくみにあやつってむかう岸へつきました。舟をおりようとして、旅人がひよいと見ますと、へさきに立つてゐる子どもの尻べたから、長い尻尾が垂れてゐました。」――
朗読:長尾奈奈
企画/制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
(C)2024 声の書店.
土田耕平(明治28年- 昭和15年)による童話『狐の渡』
「むかし、一人の旅人が、科野の国に旅して、野路を踏みたがへ、犀川べりへ出ました。むかうへ渡りたいと思ひましたが、あたりに橋もなし、渡も見えず、困つてをりますと、「もうし、旅のお人。」 といふ声がします。見ると、いつどこからとも知らず、一人のうつくしい顔した子どもが舟をこぎよせてゐるのでした。「渡しのコン助といふものだが渡しの御用はないかな。」 といひますので、「御用は大有りだ。早くわたしてくれ。」 と旅人は舟にとび乗りますと、子どもは艪をたくみにあやつってむかう岸へつきました。舟をおりようとして、旅人がひよいと見ますと、へさきに立つてゐる子どもの尻べたから、長い尻尾が垂れてゐました。」――
朗読:長尾奈奈
企画/制作:声の書店
協力:株式会社 仕事
(C)2024 声の書店.
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