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※日本マーケティングリサーチ機構2023年11月調べ
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おたふく

出版社 丸竹書房

ナレーター七味春五郎

再生時間 01:32:39

添付資料 なし

販売開始日 2024/5/20

トラック数 7

購入音源の倍速版 なし(アプリでの倍速再生は可能です)

作品紹介

1949年(昭和24年)4月 『講談雑誌』に、発表作品。

※おたふくのモデル
 おたふく物語――としてなんども映像化演劇化された本作ですが、そのモデルは周五郎の二番目のおくさん、「きん」さんです。このきんさんは、五人兄弟。妹に八重子という人がいて、すぐ上の兄、三男が共産主義活動にはまって、父親がいくども憲兵に呼ばれたり、家族が肩身の狭い思いをしていたのも、そのまんまです。父親の吉村八十八が金助町で飾り職をしていたのも同じ。主義者の妹だ、と後ろ指をさされて、縁談もなくなった、というのもお話のままで、次兄は両親の面倒もみない(長男は三十二才で病死)結果、妹ときんさんとで、親を養うことになる。行き遅れのまま、三十八という年になる。
 先の事情で金助町に居づらくなった一家は引っ越しをするわけですが、その筋向かいに周五郎一家がすんでいたわけで。

 このきんさんは、周五郎の小説にはさほど関心がなかったらしく、あるとき髪結いにいって、だれが作者なのかも知らずに読んだ小説がわりと面白かった。うちに帰って、そのことを主人に話すと、周五郎は「」かあさん、そりゃ、ぼくの書いた小説だよ」とうれしそうに言う。
 このように、小説と現実のきんさん一家はすべてが同じでないにしろ、かなりのエッセンスがまじっているのはまちがいない。

 周五郎先生、あるとき奥さんのきんべえに、こんなことを言った。
「ぼくがさきに死んだら、一字一字大切に読んでくれ。だいたいの小説に、かあさんのことがでてくるから」

 山本周五郎が、きんべえへのあふれる愛をこめた小説「おたふく」
 お聴きください。



■登場人物
おしず……杵屋勘志津。長唄の師匠。兄のために婚期を逃した姉妹。
おたか……おしずの妹。喧嘩もするが、姉思い。仕立屋勤め。
新 七……おしずの父。
い く……おしずの母。
伊 吉……おしずの兄。縫箔職人。
栄 二……おしずの次兄。ぐれて世直し活動をしている。

貞二郎……彫金師。おしずが密かに想っている相手。

島崎来助……安永の宗珉と云われるほどの彫金師。貞二郎の師匠。
おその……来助の女房。
お市……来助とおそのの娘。
横谷次兵衛……宗珉と呼ばれた昔の有名な彫金師。
平助……来助の内弟子。
銀造……来助の内弟子。
五郎吉……家主。
辰次……長屋の鋳掛け屋。
長太郎……辰次の子。

■用語集
忌日……キジツ・故人が死亡した日、命日の事。
法筵……ホウエン・仏法を説く所。 法会・説法の席。
素袍……スオウ・日本の男性の伝統的衣服の一種。
てんでん……それぞれ
裄丈……ユキタケ・首の付け根から袖先までを測った「シャツの袖の長さ」
緞子……ドンス・繻子織地に繻子織の裏組織で模様を織り出した織物。
節季働き……盆や正月の前になると忙しく働くこと


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