恋芙蓉

１９３５年(昭和１０年)３月　『キング』
■あらすじ
　幼なじみで、義兄弟、死ぬときはともにと誓い合った鞆之助と勘三郎だが、一人の小菊をめぐって仲違いをしてしまう。時は戦国、二人は伊達家の家臣。ともに朱兜隊士としていくさにおもむくが、隊長と平隊士と立場は違っていた。鞆之助は、隊長である勘三郎の奸計で、死に追いやられるのではないかと、精神をまいらせていくが……
　恋と、友情の狭間で揺れ動ｭ男たちの心理を、32才の若手作家であった山本周五郎が、筆を走らせております。
　お聴きください。


■登場人物
杉森勘三郎……小菊の従兄。伊達政宗家臣。朱兜隊長。
谷屋鞆之助……伊達政宗家臣。朱兜隊士。小菊と結婚を誓い合う。
小菊……甚左衛門の娘。鞆之助と夫婦約束をする。
甚左衛門……小菊の父。
伊達政宗……鞆之助と勘三郎の主君。
蘆名盛重……黒川城主。
高田玄蕃盛高……盛重の部将。長沼城主。
瀬越十郎太……朱兜隊一番組頭。
新井弥兵衛……朱兜隊士。
畑中忠之進……朱兜隊三番組頭。
依田権七……朱兜隊士。