若殿女難記

１９４８年(昭和２３年)２月　『講談雑誌』
■あらすじ
　美作、津山十八万石。の若殿、大助は、お家騒動に巻き込まれる。家臣たちは、彼を殺害し、うり二つの男と入れ替えようとするが……
　山本周五郎得意の滑稽物です。


■登場人物
伝　吉　　　……若殿とうりふたつな若者。替え玉にされる。
森　大　助　……伯耆守の二男。若殿。
森伯耆守長武……津山藩主。
五十塚紋太夫……津山藩江戸邸の藩士。扈従組支配。側用人派の実行組。
額田　采女　……津山藩江戸邸の藩士。側用人派。
原野九郎兵衛……津山藩江戸邸の藩士。側用人派。
森　栄之進　……伯耆守の長男。早逝する。
脇屋白左衛門……津山からの供頭。
宙野　儀兵衛……津山藩江戸邸の藩士。
金吾　武吉郎……津山藩江戸邸の藩士。
松田　久　弥……側用人。すり替え劇の首謀者。。
灰山　主　税……勘定奉行。側用人派。
増井　琴太夫……筆頭年寄。側用人派。
角田　精一郎……中老元締。側用人派。
瀬沼六郎兵衛……中老元締。側用人派。
小林　三之丞……大目付。側用人派。
窓井　益　造……若殿付き藩士。
双　葉　　　……若殿付き腰元。
屋　島　　　……若殿付き腰元。
梱方　万　理……江戸家老。
楓　　　　　……若殿付き腰元。
松ヶ枝　　　……若殿付き腰元。


■用語集
嘲弄……チョウロウ・あざけってばかにすること。
悪罵……アクバ・口ぎたない悪口。ひどくののしること
霖雨……リンウ・幾日も降り続く雨。ながあめ。
渡渉……トショウ・川をわたること。
馬喰……バクロウ・牛馬の売買・仲介を業とする人。
根問……ネドイ・根本まで詳しく問うこと。
親子……シンシ
嬌態……キョウタイ・媚(こび)を含んだ色っぽい態度・様子。
ちんかも……ちんちんかもかもの略で夫婦仲の極めて睦じいこと。 チンチンはやきもちのことで、やきもちがやけるほどの意。
芬薫……フンクン・かぐわしいさま。