作品紹介
◎内容
高等教育の古文・漢文不要論が唱えられる今、
古典は本当に必要なのか。
日本において古典が成立した経緯を辿りながら、
そもそも「古典」とは何かを考える。
一般社会通念としての「古典」とは、
歴史の中で他者の視線に耐え抜いた書物を
指すことが支配的であるが、
本書では、本来の「古典」には
明確な基準があったことを明らかにする。
「古典の日本史」の流れを踏まえつつ、日本人にとっての
「古典」や「教養」のあり方を問う一冊。
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◎目次
序章 古典を学ぶことに価値や意味はあるのか
第一章 古典意識の成立――古典なるものと藤原俊成の戦略
【1】世界は二つの国・地域に分かれている
【2】日本における古典の中の古典
【3】古典的公共圏の成立前夜
第二章 古典的公共圏への先駆――古典と注釈
【1】古典と注釈
【2】古典注釈の始まり①――『古今集』
【3】古典注釈の始まり②――『伊勢物語』
【4】古典注釈の始まり③――『源氏物語』
【5】古典注釈の始まり④――『和漢朗詠集』
【6】古典注釈のその後
第三章 古典的公共圏の確立――身だしなみとしての和歌・古典
【1】古典本文の校訂ということ
【2】藤原定家の古典校訂
【3】河内源氏家の『源氏物語』校訂と注釈
【4】和歌の変容
【5】後嵯峨院の時代
【6】古典的公共圏の定義
【7】古典的公共圏の成立時期
第四章 古典的公共圏の展開――戦乱においてますます躍動する和歌・古典
【1】モンゴル襲来がもたらしたもの――幕府と宗教
【2】南北朝動乱と古典的公共圏
【3】応仁の乱前後と古典的公共圏
【4】戦国期――天下統一と古典的公共圏
第五章 古典的公共圏の繁栄――古典の王国だった近世日本
【1】近世と古典の深い縁
【2】近世前期の古典学
【3】近世後期の古典学
【4】国学のもたらしたもの――契沖の系譜と変容
【5】松平定信と大名文化圏
【6】文化文政期における古典学の隆盛
第六章 古典の末路――古典を見捨てた近代
【1】明治~戦前期――国語教育の一部門に矮小化された古典
【2】古典的公共圏の喪失
【3】戦後期――戦後における古典
終章 古典の活路――それでも古典を学ぶことには意義がある
おわりに
読んでおきたい古典(現代語訳・注釈書)10選
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◎著者プロフィール
前田雅之(まえだまさゆき)
1954年、山口県生まれ。明星大学人文学部日本文化学科教授。
早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻博士後期課程単位取得退学。
博士(文学)。専門は古典学、中世文学、日本思想史。著書に、
『記憶の帝国 【終わった時代】の古典論』(右文書院)、
『書物と権力 中世文化の政治学』(吉川弘文館)、
『保田與重郎 近代・古典・日本』(勉誠出版)、『古典的思考』(笠間書院)、
『なぜ古典を勉強するのか』(文学通信)、ほか。編著書に、
『画期としての室町 政事・宗教・古典学』(勉誠出版)などがある。
高等教育の古文・漢文不要論が唱えられる今、
古典は本当に必要なのか。
日本において古典が成立した経緯を辿りながら、
そもそも「古典」とは何かを考える。
一般社会通念としての「古典」とは、
歴史の中で他者の視線に耐え抜いた書物を
指すことが支配的であるが、
本書では、本来の「古典」には
明確な基準があったことを明らかにする。
「古典の日本史」の流れを踏まえつつ、日本人にとっての
「古典」や「教養」のあり方を問う一冊。
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◎目次
序章 古典を学ぶことに価値や意味はあるのか
第一章 古典意識の成立――古典なるものと藤原俊成の戦略
【1】世界は二つの国・地域に分かれている
【2】日本における古典の中の古典
【3】古典的公共圏の成立前夜
第二章 古典的公共圏への先駆――古典と注釈
【1】古典と注釈
【2】古典注釈の始まり①――『古今集』
【3】古典注釈の始まり②――『伊勢物語』
【4】古典注釈の始まり③――『源氏物語』
【5】古典注釈の始まり④――『和漢朗詠集』
【6】古典注釈のその後
第三章 古典的公共圏の確立――身だしなみとしての和歌・古典
【1】古典本文の校訂ということ
【2】藤原定家の古典校訂
【3】河内源氏家の『源氏物語』校訂と注釈
【4】和歌の変容
【5】後嵯峨院の時代
【6】古典的公共圏の定義
【7】古典的公共圏の成立時期
第四章 古典的公共圏の展開――戦乱においてますます躍動する和歌・古典
【1】モンゴル襲来がもたらしたもの――幕府と宗教
【2】南北朝動乱と古典的公共圏
【3】応仁の乱前後と古典的公共圏
【4】戦国期――天下統一と古典的公共圏
第五章 古典的公共圏の繁栄――古典の王国だった近世日本
【1】近世と古典の深い縁
【2】近世前期の古典学
【3】近世後期の古典学
【4】国学のもたらしたもの――契沖の系譜と変容
【5】松平定信と大名文化圏
【6】文化文政期における古典学の隆盛
第六章 古典の末路――古典を見捨てた近代
【1】明治~戦前期――国語教育の一部門に矮小化された古典
【2】古典的公共圏の喪失
【3】戦後期――戦後における古典
終章 古典の活路――それでも古典を学ぶことには意義がある
おわりに
読んでおきたい古典(現代語訳・注釈書)10選
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◎著者プロフィール
前田雅之(まえだまさゆき)
1954年、山口県生まれ。明星大学人文学部日本文化学科教授。
早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻博士後期課程単位取得退学。
博士(文学)。専門は古典学、中世文学、日本思想史。著書に、
『記憶の帝国 【終わった時代】の古典論』(右文書院)、
『書物と権力 中世文化の政治学』(吉川弘文館)、
『保田與重郎 近代・古典・日本』(勉誠出版)、『古典的思考』(笠間書院)、
『なぜ古典を勉強するのか』(文学通信)、ほか。編著書に、
『画期としての室町 政事・宗教・古典学』(勉誠出版)などがある。
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