作品紹介
【小学館の名作文芸朗読】
熊吉の仕事は毎日、半蔵門から永田町へかけて水を撒くこと。ある時、仕事場の三宅坂の水揚ポンプの傍らに一本の草の芽が生えたのを見つけた熊さん彼は、朝と晩に水をやるようになる。風で倒れないように、竹の棒を立ててやる。蕾をつけ、やがて素晴らしい黄色い花を咲かせると、日が暮れてずっと暗くなるまで眺めている。そんなこととは知らない熊さんのお内儀は、帰りが遅いのに腹を立てていた。
熊吉の仕事は毎日、半蔵門から永田町へかけて水を撒くこと。ある時、仕事場の三宅坂の水揚ポンプの傍らに一本の草の芽が生えたのを見つけた熊さん彼は、朝と晩に水をやるようになる。風で倒れないように、竹の棒を立ててやる。蕾をつけ、やがて素晴らしい黄色い花を咲かせると、日が暮れてずっと暗くなるまで眺めている。そんなこととは知らない熊さんのお内儀は、帰りが遅いのに腹を立てていた。
新着作品
週間総合ランキング
読み込み中...