作品紹介
将軍家光に世子が生まれた祝儀として、水野けんもつ忠善は久能山東照宮に石の鳥居を奉納することとなり、茅野百記はその事務頭として久能山に出張していた。百記はその出張先で私の争いで刃傷に及び、勤役中の不始末を申し訳なく思って切腹した。知らせを聞いた百記の妻みよは、召使たちにその旨を伝えて家内の始末をし、領内追放となって二歳の息子、安之助を連れて土地を去った。みよはその時から二十年、良人の遺志を継いで、微塵もゆるがぬ一心を貫きとおして良人の仕残した奉公をつぐない、安之助を育てるのだった。
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