作品紹介
徳川幕府を始めとして大小の諸藩、いずれも財政難に当面していた寛政年度。讃岐多度津の京極家もその例にもれず、年来の疲弊つもりつもって藩政は殆ど逼迫の頂点に達していた。最も困惑していたのが大坂の富商山屋八左衛門から借り入れた五万余両の金だった。これには吉野の檜山が抵当に振り当てられてあったため、万一返済ができない場合には京極家の重要な財源を押さえられることになるのだ。重役は財政立て直しを計ったが、どこをどう改革すべきか名案がない。そこで藩主が昌平黌で教えを受けた岡田寒泉に助力を願うことにした。隠退している寒泉は、大坂の唐物売買商、難波屋宗右衛門の息子、浅次郎に財政立て直しを頼むこととなる。
新着作品
週間総合ランキング
読み込み中...