作品紹介
今年十九になるお高は、松代藩につかえる今は病気で寝付いている父と幼い弟を抱えて、苦しい家計を支えるため、こまごました家事のいとまをぬすんで、松代藩の大切な産物、木綿糸をせっせと繰っては生計の足しにしていた。ある夜、父に呼ばれたお高は彼女の実の母親が思い病気にかかり、お高に一目会いたいので松本に来てくれるように云っていることを知る。重い病に伏している産みの母のひとめ会いたいという言葉に強く宗を打たれたお高は、あとにもゆくさきにも落ち着かぬ気持ちで松代をたつ。家族とは何か、幸せとは何かを問う心温まるストーリー。
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