作品紹介
【小学館の名作文芸朗読】
海岸の森にある年取ったカシワの木。年はちょうど三百六十五だが、人間だと三百六十五日くらいで、一年のうち、春・夏・秋が昼で、冬が夜。この木が一番美しい夢を見たのは、清らかなクリスマス前夜。自分の身に起こったことを思い出していると、幹がどこまでも伸びていき、梢はますます茂り、とうとう根が地べたから離れる。カシワの木が夢を見ている間、すさまじい嵐が辺りを荒らし回っていた。
海岸の森にある年取ったカシワの木。年はちょうど三百六十五だが、人間だと三百六十五日くらいで、一年のうち、春・夏・秋が昼で、冬が夜。この木が一番美しい夢を見たのは、清らかなクリスマス前夜。自分の身に起こったことを思い出していると、幹がどこまでも伸びていき、梢はますます茂り、とうとう根が地べたから離れる。カシワの木が夢を見ている間、すさまじい嵐が辺りを荒らし回っていた。
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