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谷崎潤一郎「母を恋うる記/二人の稚児」(しみじみ朗読文庫)

出版社 響林社

再生時間 01:50:26

添付資料 なし

出版日 2022/8/25

販売開始日 2022/8/30

トラック数 9

購入音源の倍速版 なし(アプリでの倍速再生は可能です)

作品紹介

「母を恋うる記」は、夢の中で、海辺の松林に沿った誰もいない夜道を、8つほどの子供の自分が、母親を探して歩いていくというもの。ある家で炊事をしていた女性をお母さん(おっかさん)だと思って声をかけたが、人違いだとつれなく追い払われ、やがて遙か前を行く白く美しい女性を、こういう姉がいたらいいと思って声をかけたら、その女性は泣いていた。その女性は、なぜ自分がお前のお母さんだとわからないかと言い、自分も気がついて、二人は相抱いて泣く。道中の夜の闇、雲、青い月、松の葉のそよぎ、風、波の音、潮の香、アーク灯の光、女性の雪のような肌の白さ、母親の乳房の暖かい匂い、道中の炊事の匂い、思い出の中の三味線の音など、五感に訴えつつ、母親への思慕と月夜の澄んだ雰囲気が全体に滲んでいる。本作品執筆の2年前に亡くなった谷崎の母は浮世絵にもなった美人と言われており、その美しい母親像を夢幻的に描いている。
 「二人の稚児」は、叡山に幼くして預けられた二人の稚児の、それぞれの煩悩との葛藤を描く。15歳の千手丸と13歳の瑠璃光丸とは、尊い上人の膝下で育てられ、浮世の恐ろしさを教えられてきた。しかし千住丸は、年頃ということもあり、下界に見える浮世に関心を抱き、半日のつもりで叡山から抜け出したものの、人買いに攫われ、曲折を経て長者の婿となって今は裕福な生活を送っている。その千住丸から瑠璃光丸に内密の使いが来て、浮世の楽しさ、上人の教えの「嘘」を説き、下山を勧める。瑠璃光丸が一晩懊悩ののち、出した答えとその後の顛末は・・・。
※朗読音声は、2022年のAI技術に基づく最新合成音声です(男声)。制作:しみじみ朗読文庫

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