作品紹介
【小学館の名作文芸朗読】
植物学では「おきなぐさ」と呼ぶが、私どもは「うずのしゅげ」のほうがしっくりくる。
私は、去年の風の透き通ったある日の昼間を思い出す。二本のうずのしゅげが飛んでみたいと話をしていると、ひばりがもう二か月待ちなさいと言っていた。そして二か月後、花がふさふさした銀毛の房に変わったうずのしゅげは、ひばりにさよならを言うと、ばらばらになって北の空へ飛んで行った。
植物学では「おきなぐさ」と呼ぶが、私どもは「うずのしゅげ」のほうがしっくりくる。
私は、去年の風の透き通ったある日の昼間を思い出す。二本のうずのしゅげが飛んでみたいと話をしていると、ひばりがもう二か月待ちなさいと言っていた。そして二か月後、花がふさふさした銀毛の房に変わったうずのしゅげは、ひばりにさよならを言うと、ばらばらになって北の空へ飛んで行った。
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