作品紹介
貧乏画かきの庄太郎は、一人の女性を争う恋敵でありながら、彼に経済的援助もする友人の奥村一郎を訪れ、彼との口論に激した挙句、奥村が机の上に置いてあったピストルで相手を撃ち殺してしまった。一時は茫然自失となった庄太郎であったが、次第に冷静を取り戻しつつ、彼の頭はめまぐるしく働く。目撃者や、銃声を聞いた者はいないか、隣の広っぱで遊んでいた奥村の弟の二郎は何かを感付いたか、自首するか、しないか、危うく忘れるところだった指紋は拭き取った、証拠は何もない…彼が選択したのは結局、バックレだった。だが、翌日、庄太郎の留守中に刑事が訪ねてきたことを知り、悲観と楽観を繰り返しながらも、全身の智慧をしぼり尽して、ある妙案を思いつくのであった。
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