作品紹介
一月ばかり前に新妻を迎えた山名宗三は、その日もルンルンで帰宅したが、一つおどろかしてやろうと、門から玄関を忍び足、妻のお花がいる茶の間へいきなり現れるという趣向の前に、ちょっと覗いてみたところ、なんとお花は、一枚の写真を持って、接吻したり、抱きしめたりしていて、宗三に見られた途端に慌てて隠した。その後、写真は納戸のタンスの引き出しにしまったようだ。いったい誰の写真なのか?思い当たることがある。勤め先の役所の上司である課長の村山のものに違いない。村山の遠縁にあたるお花は、その家に寄寓していたこともあり、いまでも度々山村家を訪れる。夜中にそっとタンスの引き出しを調べたところ、やはりあった、山村の写真だ!ブチ切れる宗三に、思いがけぬお花の反撃が。
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