作品紹介
○○造船株式会社会計係のTは、彼の助手を勤めている若い女事務員のS子のデスクの前にそっと腰をかけ、彼女の本立てから一挺の算盤を取出すと、『12億4,532万2,222円72銭』という多額の数字をはじき置いたまま自分の席に帰り、なにげなくその日の仕事に取かかるのであった。彼はさらに、その翌日も、翌々日も同じことを繰り返すのである。どうやら彼はS子へ暗号によるメッセージを伝えようとしているらしい。あまりにも気の小さいTが、あまりにも回りくどい方法で伝えるメッセージの内容とは?そして、それは果たしてS子に届くのか?
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