作品紹介
頭脳明晰を自負する苦学生・蕗屋清一郎は、ある時、ある方法によって学資を得る方法を見出した。動機となったのは、同級生の斎藤勇が下宿する家の老婆が、莫大な現金を自宅のある秘密な場所へ隠しているという情報であった。そのような大金を老い先短いおいぼれが所有するよりは、自分のような未来ある青年の学資として使用されるべきである、それが彼の理論であった。その金をただ奪ったのでは、必ずどこからか足がつく、老婆を殺してしまうのがいちばん安全である、これが完全犯罪を実現するために彼の下した決断であった。かくして行われた蕗屋の完璧な犯行に、担当予審判事は頭を悩まし、容疑者として内定していた蕗屋と斎藤に対して心理試験(結果は配信画像参照)の連想診断を行うことにした。
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