作品紹介
「私」は下宿屋の近くのカフェでコーヒーをすすりながら、通りを隔てた真向うの古本屋をボンヤリ眺めていた。日ごろからお気に入りのそこの女房を垣間見るのが目当てであったが、今日はなかなか店に現れない。そこへちょうど通りかかった知り合いの明智小五郎が同席し、外を眺めながら無駄話をしているうちにも、古本屋の女房は依然店番に現れず、万引きされ放題になっている。異変を感じ取って古本屋を訪れた私たちは、店の奥の部屋に横たわる女の死骸を発見した。それは、絞殺されたそこの女房であった。警察、検事総出にも関わらず捜査は難航する中、アリバイなども考慮した私の推理によれば、犯人像は、古本屋の女房の幼なじみであるという明智小五郎本人に限りなく一致してくるのであった。
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