ヤクザときどきピアノ

出版社 株式会社CCCメディアハウス

ナレーター海老沢潮

再生時間 03:54:50

添付資料 なし

出版日 2020/3/31

販売開始日 2021/10/31

トラック数 13

購入音源の倍速版 あり

作品紹介

「『ダンシング・クイーン』が弾きたいんです」
――校了明けに観た一本の映画が人生を変えた。

『サカナとヤクザ』『ヤクザと原発』など、
潜入ルポで知られるライターがピアノ教室に!
譜面の読みかたも知らない52歳の挑戦がはじまる。

レッスンは冒険であり、レジスタンスだ。
ピアノは人生に抗うための武器になる。
俺は反逆する。
残酷で理不尽な世の中を、楽しんで死ぬ。

5年もの時間をかけて書き上げた
『サカナとヤクザ』(小学館)を校了した「俺」には、
やりたいことがあった。ピアノである。
子どもの頃からピアノには淡い憧れがあったが、大人になり、
ヤクザ取材を中心に行うライターとして
多忙な日々を送るなかで、
そんな機会が実現することはついぞなかった。
しかし、人生はわからない。
校了明けに観た映画
『マンマ・ミア! ヒア・ウィー・ゴー』が運命を変えた。
ABBAのスマッシュ・ヒットである
『ダンシング・クイーン』が流れた時、
涙腺が故障したのかと思うほど涙が溢れて止まらなくなった。
特徴あるピアノの旋律に直接感情の根元を揺さぶられた。
身体が音楽に包まれていた。

ピアノでこの曲を弾きたい。

校了明けのライターにありがちなライターズ・ハイがもたらす
万能感に背中を押され、
近所のピアノ教室に電話をかけまくった。
が、簡単にはいかない。
譜面も読めないとわかると、電話口の声は困った様子になる。
やはり、50代の未経験者が、
いきなりABBAを弾きたいなんて無謀なのか。
そんななかで、出会ったのがレイコ先生だった。
彼女はきっぱりと言った。

「練習すれば、弾けない曲などありません」

1回30分、月3回で月謝は6千円。
ときにヤクザの抗争に阻まれても必死で練習した。
憧れの『ダンシング・クイーン』を自分で弾くために。
先生の期待に応えるために。

いくつになってもYOU CAN DANCE
ABBAの名曲に乗せて贈る、
ハードボイルド中高年応援ストーリー。

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