作品紹介
長谷川平蔵は、部下の与力が喧嘩のあげくに殺傷事件を起こしたため、月番の若年寄・堀田摂津守に呼び出され、謹慎を命じられた。折しも役宅を訪れた剣友・岸井左馬之助が、「古い昔の、めずらしい人に会った」と言う。それは、見事な白髭を顎から垂れた老人で、高杉道場時代の平蔵たちの先輩(20歳以上も年上)剣士・野崎勘兵衛であった。若き日の因縁もあって興味を抱いた平蔵が、あくまでもプライベートに探りを入れるうち、事は堀田摂津守と絡み合ってくる。盗賊事件から離れた、しみじみとした一編である。
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