作品紹介
四十賀の翌春、明石女御は春宮の第一皇子を出産しました。光源氏の栄華をさらに次の世代まで引き継ぐ慶事でありました。外祖父明石入道はその知らせを聞き、この世への執着を絶ち、山に寵もることを選択します。その遺した手紙を読み、明石尼君、明石御方、明石女御とともに、光源氏も涙しました。出産とその祝いが終わったころ、六条院春の町では、夕霧とその友人たちが集まって蹴鞠が行われました。満開の桜が散り乱れる中、行われた蹴鞠は荒々しく、若者の生気に溢れていました。おそらくこの春の町の寝殿で見物しているであろう女三宮の存在が、彼らの熱気に拍車をかけていたのです。女三宮の女房たちの御簾越しの気配も感じられる中、一匹の猫が御簾から飛び出し、首に付けられた紐によって御簾の隙間を作り出しました。その絶好の機会を捉えて女三宮の美しい立ち姿を垣間見したのは、夕霧と柏木の二人でありました。
※劇場で配布されたオリジナルテキストもPDFで配信しております。サイトもしくはアプリからダウンロードの上ご利用ください。
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