作品紹介
朱雀院は六条院行幸の後、健康を害し、出家を望むようになりますが、心残りが二つありました。一つは最愛の妃朧月夜を残していくことへの懸念で、もう一つは母亡き娘として、もっとも寵愛してきた女三宮の将来への不安でありました。後見のないこの娘を、どうにかしっかりした夫の手に委ねたいと、朱雀院は悩み、苦しみ、さまざまな婿候補を考えてみるのですが、最後にはやはり、光源氏にもらってもらうのが、一番安心だというところに落ち着きます。朱雀院からの申し出を光源氏はどう受け止めるのか。物語は朱雀院の側の論理が至りつく過程と、光源氏が逡巡の末に女三宮を引き受ける過程を交互に描き出し、光源氏の六条院世界を揺るがしていく新たな要因としての女三宮登場を語っていきます。准太上天皇として待遇されることになった光源氏の新たな栄華とその凋落の予感をここに読み取ることができます。
※劇場で配布されたオリジナルテキストもPDFで配信しております。サイトもしくはアプリからダウンロードの上ご利用ください。
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