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宮本武蔵(40) 日出づる頃/彼の人・この人1/彼の人・この人2/魚歌水心1/魚歌水心2
ナレーター浅科准平
再生時間 02:08:37
添付資料 なし
販売開始日 2018/7/6
トラック数 6
購入音源の倍速版 あり
作品紹介
国民文学作家・吉川英治の代表作『宮本武蔵』の週刊配信を開始!
新聞小説として連載され、かつてないほどの人気を得た吉川英治の「宮本武蔵」を、情緒ある朗読に演出を加えたオーディオブックとしてお届けします。本コンテンツは、ポッドキャスト「週刊宮本武蔵」のアーカイブパッケージ版です。
第170回 日出づる頃
逃げたろう、逃げたに違いない。見えぬ武蔵の姿に対して、そのような噂が蔓延る中、十三日の夜が明けた。この事態を前に、武蔵の事を推挙した張本人である長岡佐渡は、眠らずに頭を悩ませていた。このままでは自決の道も辞せない。諦めかけたその時、廻船問屋の小林太郎左衛門の所にいるのではないかとひらめく少年があった。
第171回 彼の人・この人(1)
武蔵からの返書と次第を六軒の屋敷へ告げ回った後、主人である長岡佐渡のもとへ急いでいた縫殿介。その途中、海辺のあたりで今朝から試合の準備を進める大勢の藩士たちの様子を目にし、思わず物陰に佇む。そこには、愛刀物干竿を長やかに横たえる佐々木小次郎の姿もあった。一方、対岸の赤間ヶ関にある武蔵にも、同じ準備の時がさし迫っていた訳だが……。
第172回 彼の人・この人(2)
佐々木小次郎との決闘の時が刻一刻と差し迫る中、武蔵はひとり部屋にこもり、ひたすら画を描いていた。試合直前にも関わらず、そんな様子の彼を心配する太郎左衛門であったが、どこか申し訳なく思い、なかなか止める気にはなれない。ふと、庭先の干潟の方から縫殿介の声が聞こえてきた。その声は、少しでも早く武蔵に出向いてもらうようにとの催促の知らせであった。
第173回 魚歌水心(1)
武蔵を乗せた小舟は赤間ヶ関を離れ、船島へと向かっていた。舟を漕ぐ佐助は、約束の刻を大分過ぎている事を指摘するが、武蔵はそのくらいがちょうどいいと答える。やがて舟底にあった櫂の割れを武蔵が手に取ると、それを膝の上で気に入るまで削り出した。生死を分かつ試合の直前だというのに、そのあまりにも淡々とした姿を、佐助は解せない様子で見つめるのであった。
第174回 魚歌水心(2)
陽が中天に近づく頃、武蔵を乗せた小舟は島の入り江へと差し迫っていた。島の木陰にある巌流の姿を確認した武蔵は、身支度を整えると、櫓を取る佐助に「もうよい」と伝え、舟から飛び降りる。水をかき分けながら早い足取りで地上へ向かう武蔵と、その足が磯に上がらぬ間に水際まで駆け寄ってくる巌流。二人の戦いは、互いに一歩も譲らぬ面で、敵の名前を呼び合うところから始まった。
新聞小説として連載され、かつてないほどの人気を得た吉川英治の「宮本武蔵」を、情緒ある朗読に演出を加えたオーディオブックとしてお届けします。本コンテンツは、ポッドキャスト「週刊宮本武蔵」のアーカイブパッケージ版です。
第170回 日出づる頃
逃げたろう、逃げたに違いない。見えぬ武蔵の姿に対して、そのような噂が蔓延る中、十三日の夜が明けた。この事態を前に、武蔵の事を推挙した張本人である長岡佐渡は、眠らずに頭を悩ませていた。このままでは自決の道も辞せない。諦めかけたその時、廻船問屋の小林太郎左衛門の所にいるのではないかとひらめく少年があった。
第171回 彼の人・この人(1)
武蔵からの返書と次第を六軒の屋敷へ告げ回った後、主人である長岡佐渡のもとへ急いでいた縫殿介。その途中、海辺のあたりで今朝から試合の準備を進める大勢の藩士たちの様子を目にし、思わず物陰に佇む。そこには、愛刀物干竿を長やかに横たえる佐々木小次郎の姿もあった。一方、対岸の赤間ヶ関にある武蔵にも、同じ準備の時がさし迫っていた訳だが……。
第172回 彼の人・この人(2)
佐々木小次郎との決闘の時が刻一刻と差し迫る中、武蔵はひとり部屋にこもり、ひたすら画を描いていた。試合直前にも関わらず、そんな様子の彼を心配する太郎左衛門であったが、どこか申し訳なく思い、なかなか止める気にはなれない。ふと、庭先の干潟の方から縫殿介の声が聞こえてきた。その声は、少しでも早く武蔵に出向いてもらうようにとの催促の知らせであった。
第173回 魚歌水心(1)
武蔵を乗せた小舟は赤間ヶ関を離れ、船島へと向かっていた。舟を漕ぐ佐助は、約束の刻を大分過ぎている事を指摘するが、武蔵はそのくらいがちょうどいいと答える。やがて舟底にあった櫂の割れを武蔵が手に取ると、それを膝の上で気に入るまで削り出した。生死を分かつ試合の直前だというのに、そのあまりにも淡々とした姿を、佐助は解せない様子で見つめるのであった。
第174回 魚歌水心(2)
陽が中天に近づく頃、武蔵を乗せた小舟は島の入り江へと差し迫っていた。島の木陰にある巌流の姿を確認した武蔵は、身支度を整えると、櫓を取る佐助に「もうよい」と伝え、舟から飛び降りる。水をかき分けながら早い足取りで地上へ向かう武蔵と、その足が磯に上がらぬ間に水際まで駆け寄ってくる巌流。二人の戦いは、互いに一歩も譲らぬ面で、敵の名前を呼び合うところから始まった。
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