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作品紹介
火付盗賊改方長官の平蔵が〔取扱〕として兼務することとなった人足寄場からの帰路、声をかけてきた針売りの老婆は、平蔵が〔入江町の銕さん〕などと呼ばれ、無頼生活をしていたころの“むかしの女”おろくであった。彼女は娼婦時代の馴染み客の前に顔を見せるだけで、関わり合いを避けたい男たちが金をくれることに味を占め、次第に景気良く暮らし始めるが、その噂がならず者集団〔雷神党〕に伝わり、大きな強請り事件へと発展してゆく。