作品紹介
谷崎潤一郎の軽妙な随筆から3点を朗読。「客ぎらい」は、いつの頃からは人づきあいが面倒になり、客の応対をするのが苦痛となってきた谷崎は、猫が呼び掛ける相手には応えないものの、尻尾をちょっとだけ振って聞こえていることを示す様子を羨ましがる。「旅のいろいろ」は、鉄道省などの行楽の宣伝によって各地が人の喧噪で台無しになるのを憂えて、人のいないが優れた趣きのある場所を指向する。東京―大阪の寝台車では急行ではない方を好み、関西線では鈍行で沿線の景観をゆっくり楽しめるほうを好む。また谷崎は、行楽客や乗客の思慮のない無神経ぶりを批判する。「厠のいろいろ」は、さまざまな厠の超短を谷崎一流の視点で批評する。
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