聴き放題対象
チケット対象
宮本武蔵(8) 太郎/心火/鶯/西瓜/佐々木小次郎
ナレーター浅科准平
再生時間 02:53:24
添付資料 なし
販売開始日 2015/11/6
トラック数 10
購入音源の倍速版 あり
作品紹介
国民文学作家・吉川英治の代表作『宮本武蔵』の週刊配信を開始!
新聞小説として連載され、かつてないほどの人気を得た吉川英治の「宮本武蔵」を、情緒ある朗読に演出を加えたオーディオブックとしてお届けします。本コンテンツは、ポッドキャスト「週刊宮本武蔵」で配信した2015年10月分をまとめたアーカイブパッケージ版です。
第31話 太郎
城主が可愛がっていた犬・太郎を撃ち殺した城太郎に対し、家臣の一人が罰を与えていた。子供とは思えない程の抵抗を見せる城太郎であったが、背後からの攻撃に、いよいよ命の危機が迫る。その瞬間、それまでその様子を傍観していた武蔵が初めて腕を解いた。彼らの間に入り、下僕の罪は主人の罪でもあると言い放つ武蔵であったが、謝罪や陳弁の意図はなく、家臣や四高弟を煽る挑戦的な言葉を後に続けるのであった。
第32話 心火
四高弟に囲まれた状況の中、隙をうかがいながら相手からの攻撃を待つ武蔵であったが、4人の達人は一向に陣形を変えない。一方、武蔵の手ごわさを察した四高弟側も、なかなか斬りこめず、互いに毛ほどの気の緩みも許されない状況であった。そんな中、誰が吹くのか、林の奥から風に運ばれてきた笛の音が、武蔵の聴覚をハッとさせる。武蔵の心身が脆いものになったその刹那を、四高弟が見逃すはずはなかった。
第33回 鶯
昨晩、武蔵と四高弟の合戦が開始された頃、城太郎は彼らの斬り合いを止めるべく、石舟斎とお通のもとを訪れていた。話を聞いたお通は城太郎の師匠が武蔵だという事を知り、口がきけなくなるほど驚くのであった。武蔵の生存を信じ、翌日彼を探しに出る事にした二人。もうすぐ武蔵に会えるかもしれない……そんな期待もあってか、今朝のお通はいつもより華やいで見えた。
第34回 西瓜
徳川家が封建統制を敷き始めた頃、伏見町は多くの商売人で賑わっていた。すっかり力のない姿に変わり果ててしまった又八もまた、石曳きとしてこの町で働いているのであった。休憩中、彼は百姓から購入した西瓜をにぶい眼でながめながら、この先、五、六年のうちに、武蔵やお甲を見返し、お通を迎え取る決心をする。そんな事を考えていると、いつの間に来ていたのか一人の武者修行の若者が、伏見城の地勢や工事のさまを少しところから眺めていた。
第35回 佐々木小次郎
工事場から逃げ出そうとした武者修行の男であったが、その様子を高い所から見ていた上役が大きな声をあげると、石工や土工たちが一斉に彼のもとに駆け集まってきた。怪我人や死者が幾人も出るほどの騒動になったが、その一瞬の後には、皆が何事もなかったかのように各々の職場に戻っていた。人足頭や目付の侍から、倒れた武者修行者の番をするよう命じられた又八は、彼をあわれに思い、ぼんやりしながら見張っていると、完全に死んだと思われたその体がずるりと動き出すのであった。
新聞小説として連載され、かつてないほどの人気を得た吉川英治の「宮本武蔵」を、情緒ある朗読に演出を加えたオーディオブックとしてお届けします。本コンテンツは、ポッドキャスト「週刊宮本武蔵」で配信した2015年10月分をまとめたアーカイブパッケージ版です。
第31話 太郎
城主が可愛がっていた犬・太郎を撃ち殺した城太郎に対し、家臣の一人が罰を与えていた。子供とは思えない程の抵抗を見せる城太郎であったが、背後からの攻撃に、いよいよ命の危機が迫る。その瞬間、それまでその様子を傍観していた武蔵が初めて腕を解いた。彼らの間に入り、下僕の罪は主人の罪でもあると言い放つ武蔵であったが、謝罪や陳弁の意図はなく、家臣や四高弟を煽る挑戦的な言葉を後に続けるのであった。
第32話 心火
四高弟に囲まれた状況の中、隙をうかがいながら相手からの攻撃を待つ武蔵であったが、4人の達人は一向に陣形を変えない。一方、武蔵の手ごわさを察した四高弟側も、なかなか斬りこめず、互いに毛ほどの気の緩みも許されない状況であった。そんな中、誰が吹くのか、林の奥から風に運ばれてきた笛の音が、武蔵の聴覚をハッとさせる。武蔵の心身が脆いものになったその刹那を、四高弟が見逃すはずはなかった。
第33回 鶯
昨晩、武蔵と四高弟の合戦が開始された頃、城太郎は彼らの斬り合いを止めるべく、石舟斎とお通のもとを訪れていた。話を聞いたお通は城太郎の師匠が武蔵だという事を知り、口がきけなくなるほど驚くのであった。武蔵の生存を信じ、翌日彼を探しに出る事にした二人。もうすぐ武蔵に会えるかもしれない……そんな期待もあってか、今朝のお通はいつもより華やいで見えた。
第34回 西瓜
徳川家が封建統制を敷き始めた頃、伏見町は多くの商売人で賑わっていた。すっかり力のない姿に変わり果ててしまった又八もまた、石曳きとしてこの町で働いているのであった。休憩中、彼は百姓から購入した西瓜をにぶい眼でながめながら、この先、五、六年のうちに、武蔵やお甲を見返し、お通を迎え取る決心をする。そんな事を考えていると、いつの間に来ていたのか一人の武者修行の若者が、伏見城の地勢や工事のさまを少しところから眺めていた。
第35回 佐々木小次郎
工事場から逃げ出そうとした武者修行の男であったが、その様子を高い所から見ていた上役が大きな声をあげると、石工や土工たちが一斉に彼のもとに駆け集まってきた。怪我人や死者が幾人も出るほどの騒動になったが、その一瞬の後には、皆が何事もなかったかのように各々の職場に戻っていた。人足頭や目付の侍から、倒れた武者修行者の番をするよう命じられた又八は、彼をあわれに思い、ぼんやりしながら見張っていると、完全に死んだと思われたその体がずるりと動き出すのであった。
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