作品紹介
いつか列車で向いの席にいた声の美しい女性の葉子は、駒子の家の若い病人を看病していたが、その病人も亡くなった。葉子は、湯に入るといつも澄んだ声で歌うのだった。駒子の使いでやって来た葉子と話すと、いずれ東京にいくので一緒に連れて行ってほしいという。ある日の早朝、駒子はそっと島村の部屋にやってきた。その夜も泥酔して島村の宿に立ち寄った。「君はいい女だね」という言葉に突然怒りだす。島村は、いつか駒子が通ってくるのを心待つにしながら、他方で自分のわがままに呵責が募る。長逗留を続けた晩秋のある日、島村の車に飛び乗ってきた駒子と街を歩く。突然、半鐘が鳴り出した。映画上映が行われている繭倉が火事だという。
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