アンビエンスブック

■アンビエンスブック
例えば、森の中。木の葉が風でかすかに揺れていた。登場人物が左の奥から歌を歌い歩いてくる。高い樹の上の中央で鳴いていた鳥が気配に驚き、羽音をたて手前に向かって飛びだした。その後、左右に旋回しながら右奥へと飛んで行った。天空で木の葉が瞬時に揺れ、折れた小枝が目の前の登場人物の足元に落ちてきた。
このシーンを連想してください。
音響構成はステレオの立体感に加え、台詞・情景・描写の位置関係や音源のオンとオフの遠近感を設計し、臨場感を一層膨らませた表現技法を用い、物語シーンが見える世界を創作。
「目をつぶって、至極の空間に身をゆだね、アンビエンスブックの
 環境音空間の扉にノックしてみませんか・・・」

■木村勝英プロフィール
映画「三浦雄一郎の富士山直滑降」でメインスタッフとして20代で参加。「Expo’70日本万国博覧会」海外版の音響監督に抜擢される。20代後半、映画「田園に死す」のサウンド創作で寺山修司を魅了。その後も「草迷宮」、遺作の「さらば箱舟」と録音・音響を担当、カンヌ映画祭特別賞、芸術祭大賞を受賞。ドキュメンタリー映画「奈緒ちゃん」毎日映画コンクール大賞。‘71年、著名なジャズミュージシャンの生演奏をメーカー試作のマルチレコーダーと複数のハイパワー・スピーカで現在のサラウンドシステムを彷彿する「マルチレコーディングの実演」を全国主要都市で行う。‘73年、48ヶ国の「吹奏楽」とその土地に根付く数々の音を世界初のステレオポータブル録音機「ステラボックス」を背負って2年間録り歩く。また毎年開催される音の祭典「オーディオフェア」では新作品の発表。さらに世界の多くのスポーツイベント、ワールドカップアルペンスキーやカーレースを取材し、LPレコード制作。FM東京の番組「サウンドパフォーマンス」にレギュラー出演するなど、フロントランナーで音作りに没頭してゆく。テレビ番組「開高健のアドベンチャー」全シリーズの音響構成は業界で絶賛され、郵政大臣賞、ATP賞、ギャラクシー賞など多数受賞。NHK特別企画「春日大社」や、NHKスペシャル山田洋次監督の「~復活・SL~」は共に話題作として大きな反響を呼ぶ。