一龍斎貞水＜新説・猿飛佐助＞

お馴染みの「猿飛佐助」。近年ではアニメにもなっていますが、殊に中高年の方には懐かしい名前ですね。
猿飛佐助は真田幸村に仕えた真田十勇士の一人になっていますが、そもそも真田十勇士とは明治の末頃に立川文明堂から出版された立川文庫から生まれた物語で、武芸物や戦記物などが荒唐無稽な筋立てで人気を博し「立川講談」とも云われたものです。
特にその中の一人猿飛佐助の人気が高く、猿飛だけが一人歩きをして数々の物語になっています。
それと云うのも、印を結んで九字を切るとドロンと姿が消える忍術。
男の気持ちとしては羨ましい限りの忍術を使うせいでしょうか。
この話の中で貞水は「十勇士の一人が有給休暇で出てこない」と云っていますが、それは穴山小介。
思わず失念した名前を洒落でつなげたのは、流石人間国宝貞水の面目躍如といったところでしょう。