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聴き放題対象

音の歳時記 「氷の大平原」-極寒のバイカル湖-

ナレーター木村勝英

再生時間 00:15:18

添付資料 なし

聴き放題配信開始日 2024/9/14

トラック数 1

購入音源の倍速版 なし(アプリでの倍速再生は可能です)

作品紹介

音の歳時記 一月 「氷の大平原」-極寒のバイカル湖- 15分17秒 世界一深い湖。世界一透明な湖。世界最古の湖。 バイカル湖はタタール語で、「豊かな湖」という。 氷と氷の押し合い。氷と氷の引き合い。2、3メートルもの厚い氷の奥底から伝わる幻想的な音の世界。 今は温暖化などの気候変動によって直面することができなくなったバイカル湖。1988年、テレビ番組ディレクターの友房克文氏が収録した音源をもとに構成した音の不思議をお伝えします。 3月バイカルの南の町リストビヤンカから北のオリホン島を目指してトラックで走る。ソ連科学アカデミー湖沼学研究所の科学者のスタッフも同行、往復2000キロの氷の上の旅である。全長639キロ三日月型のバイカル湖は東京と青森間の距離である。 トラック車内の気温は零下30度、凍るようである。 ソ連科学アカデミーのスタッフがバイカル湖の唄を歌い出して景気をつけた。「わだちの雪、頭上には太陽が輝く、氷上を走る足元には冷たく深い湖底~」と歌う。バイカル湖保護のため一年の大半を船と氷の張る厳冬は車のなかで過ごすという。 「湖はどこまでも果てしない氷の平原」。 トラックから降りて氷の上に積もっている雪の上を歩いた。 外気温度は零下40度。昼夜の温度差でしっかり締まったパウダースノーは片栗粉を踏んでいるかのような感触で足の指先に雪音と共に伝わってくる。 トラックは再び北に向かって走った。 バイカル湖には22の島がある。もちろんこの時期の島は陸続きになっている。オリホン島、唯一人が住んでいる島である。 ブリヤ―ト・モンゴル人。この辺りの先住民族である。 漁師たちが準備をしていた。 一面に張った氷の平原でどのようにして魚を獲るのか、不思議だ。 見ていると、先が鉄製で出来た銛のような道具を使い15、6人で1.5メートル位の厚い氷を砕いて掘っている。長方形の10畳位の大きさに氷が削り取られて澄み切った湖に浮いた。その切り取った氷を自分たちが乗っている氷の下に押し込めていく。 このように長方形の穴を間隔おいて二つ開けてその間に網を通した。 しばらく時間を置いてから、全員で網を引っ張り始めた。 水面に近づいてきた網のなかにはオークン(スズキ)が大漁に入っているのが見えた。元気よく飛び跳ねている。 引っ張り上げられた魚たちは、あっという間に自然の冷凍魚となってしまった。漁師たちはそれぞれ馬ソリを曳いて帰途につく。 昨夜この辺、風が強く吹いたせいで氷上の雪は掃除されたように綺麗に何処かに吹き飛ばされている。一面が透明な氷の世界に変貌した。 湖面は青い透明な鏡のようになって、神秘的でありまた幻想的でもある。果てしない湖底に向かって走る光はいつかフェードアウトしている。 歩いてみた、硝子の上を歩いている感触で足がすくわれる。 しかし足音が心地よく響く。 この1.5メートルほどの氷の下はどんな風景なんだろうか。 潜って見ることにした。 厚い透明な氷。氷の下から上を覗くと、上から突き抜けた光は下の氷に屈折し、その下の氷に幾つも重なる光でつないでいる、その形はまるで氷たちが水中で呼吸をしているかのように光輝いている。 バイカル湖誕生の伝説がある。 その昔、神がシベリアをつくっているとき、最も大切な稀に見る美しい真珠を地上に落としてしまった、その真珠は果てしない緑の森林の海の中で美しく輝いていた、神は余りの美しさに大切な真珠を拾いあげるのをやめた。シベリアの青い真珠といわれるバイカルはこうして生まれたという。 「この静なる世界感」。 氷が温度などの影響で伸びたり縮んだりする。一夜にして氷が隆起するとき大砲のような音がバイカルの湖面に轟くという。 また隆起と反対のクレパスも出来る。氷と氷が引き合って生じる現象である。 ここ氷上でしばらく、収録することにします。 静寂、空気の動く不思議の世界に耳を傾けてみませんか。

チャプター

# タイトル 再生時間
1 音の歳時記 「氷の大平原」-極寒のバイカル湖- 00:15:18

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