作品紹介
もう、ほとぼりも冷めただろうと、十二年ぶりに江戸へ戻ってきた盗賊・雨隠れの鶴吉は、立ち寄った茶店で、母親同様に自分を育ててくれた乳母と偶然再会した。さらに、とっくに死んだと思っていた父親の万屋源右衛門とも再会する。源右衛門は鶴吉を実家の万屋へ招き入れ、家業の茶問屋を継いでもらいたいと望むが、鶴吉にはその気がない。ところがある日、万屋に盗賊の〔引きこみ〕が潜入していることを知った鶴吉は、子供のころに面倒を見てくれた井関録之助（平蔵の剣友で、今は気ままな乞食坊主となっている）に助けを求める。そして、このたびは録之助の大活躍となるのである。
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